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白髪の旅ガラス

品格

 広辞苑によれば、品格とは「物のよしあしの程度。品位。気品」とありますが、何も説明していないのと同じです。そこで、インターネットで調べてみれば、「その人やその物に感じられる気高さや上品さ。品位」とあり、やはり何のことだか、品位のない者には良く分かりません。


 カズオ・イシグロ氏の小説には、執事の品格を扱ったものがあります。偉大な執事が偉大であるゆえんは、みずからの職業的なあり方に常住し、最後の最後までそこに踏みとどまれることとありました。


執事の習慣に疎い民族の一人として、そもそも執事のあり方など分かりようもありませんが、「職業的なあり方に常住し、最後の最後までそこに踏みとどまる」ことは何となく分かります。


例えば、環境ISOコンサルのあり方、環境ISO審査員のあり方、それを続ける限り最後までそのあり方を外さずに歩むことは偉大であり、そのプロセスに品格なるものが自然と生まれるのかも知れません。


品格を 問われて探す そこつ者

品格_d0052263_19311004.jpg



# by tabigarasu-iso | 2017-11-06 19:19 | 随筆 | Comments(0)

キャッチボール

 三連休も三日目になれば遊び疲れる昼前のこと、人通りの絶えた裏通りで始めたキャッチボール、投げ方も受け取り方も知らない子に最初に教えたのは、ボールの受け取り方でした。


「上手い。天才だね」

 広げたグローブに飛び込んだボールでも、褒めてあげれば、その気になって本人は得意顔になり、次はボールを投げる側に進んでなります。


けれども、投げる姿に気を使い過ぎて、ボールを投げる方向など全く気にしませんから、投げた瞬間に暴投と分かりますが、それを批判してはいけません。

「今の投げ方は、凡人」


 凡人と言われても並の評価ですから、次の投球で天才へ挑戦すれば良いと前向きな本人は、こちらのアドバイス通り相手の顔を見ながら投げました。

「天才だね」

 この一言で、益々、本人は気分を良くしたようです。


晴れた空 家に入れば 炬燵かな

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# by tabigarasu-iso | 2017-11-05 14:00 | 随筆 | Comments(0)

山茶花と椿の相違点

 山茶花と椿の花は良く似ていますから、道端で見掛ける度にどちらの花であったか、相違点を想い出そうとします。けれど、記憶があいまいで明解な答えが出ません。


 一つ覚えているのは、山茶花の花は桜が散る様に落ち、椿の花は根元からポタリと落ちること。前者は忌み嫌われることはありませんが、後者が侍の斬首のようで潔いと見るか、縁起が悪いとみるか、人の心情により評価が分かれます。


 かような見たままの相違点ではなく、山茶花は曇りガラスを手で拭いて、明日が見えますかと、大川栄策さんが鼻声で問う冬場に咲く花と覚えましょう。中には冬場でなくても咲く山茶花もあるようですが、何れにも例外はあります。


では、椿の花はいつ咲くかと言えば、椿の旁(つくり)に春があるから春の花と覚えます。季節を前倒しで冬場に咲く椿もありますが、そんな時には旁が違う、柊(ひいらぎ)さんと教えてあげましょう。


 文化の日 山茶花前に 椿問う

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# by tabigarasu-iso | 2017-11-04 16:00 | 随筆 | Comments(0)

甘い歌声

 しみじみ聞いてみる

 裕次郎の歌は味深い

 どれも似ているけど

 話すように歌うから

 真似るは容易である

 ただ甘い音色までは

 もう少し練習せねば


人生に 悔いはないとは 未だ言えぬ


# by tabigarasu-iso | 2017-11-03 13:30 | | Comments(0)

夜空を仰いで

 夜空を見上げることが出来る球場は、屋根付きのスタジアムでは味わえない醍醐味がある。


 雨が降れば身体で受け留め冷たくなり、風が吹けば打ち上げたボールは流され思わぬ方向に落ちて行く。


横浜球場で繰り広げられた日本シリーズ、三戦全敗で迎えた四戦目、この一戦で負ければシリーズが終わる大一番に新人投手の登板は予測を越えた。


開き直ったチームの戦いは強い。新人投手がノーヒットで抑えれば、これまで沈黙していた主砲が火を噴く。


 それに比べ、優勝に手を掛けたチームはベテラン投手の起用である。確実な勝利を求めて守りに入ったチームは、夜空を仰ぐ結果になった。


寒空も 浜の熱気に 脱帽し


# by tabigarasu-iso | 2017-11-02 10:00 | 随筆 | Comments(0)