2018年 08月 12日
蝉喰うカマキリ
いつもより涼しい朝のことでした
桃の葉に油蝉の姿が見えています
直に舞い立つであろうと忍び足で
焦点あてれば上方に草色カマキリ
二本の鎌に油蝉挟んで食事の最中
弱肉強食の虫の世界覗く朝でした
舞う蝉を 鎌で挟むは 二刀流
2018年 08月 11日
一時休戦
それは、自分が審査メンバーの時でした。審査チームの打合せ予定の時間になり、審査リーダーが担当する審査部屋に戻りますと張り詰めた雰囲気に包まれます。
既に四時間が経つと言うのに、審査は序の口で立ち往生しているのが分かりましたから、何が起きているのか様子をみることにしました。分かったのは、関連部署の支援と書かれた部署の役割が不明確な指摘に対し、相手が納得していないようです。
また、環境方針にコミットメントすることが求められている環境保護の内容として生物多様性をあげていながら、それが何か質問しても誰も答えられないこともありました。
審査リーダーの指摘は間違いではありませんが、答えられない相手を追い詰め過ぎているようです。何とか雰囲気を和らげようと、追い詰め過ぎたことを自覚している審査リーダーに頷いて、同意の笑顔を見せました。
それで安心したのか不明ですが、審査リーダーは矛を収めます。
「指摘内容を報告しますから後で検討してください」
かように、燃え過ぎた審査は一時休戦するのが宜しい。
背中には 流れる汗の 音がする
2018年 08月 10日
巨大な藁草履
御殿場駅の改札口を出ると直ぐ目の前に、誰が履くのか分からない大人の背丈より遥かに高い巨大な藁草履が置いてあります。
きちっと揃えて置いてあるところから、礼儀正しい巨人の藁草履に違いありませんが、裸足で何処に隠れているのでしょう。
忙しそうに働く駅員に訊ねる訳にも行きませんから、自分で勝手に想像してみます。
『富士山の裏で居眠りしているのじゃないかな』
すると、富士山の裏の方から野太い声が聞こえました。
「居眠りじゃねぇ、山を枕に瞑想中だぁ」
藁草履 履いて遊んだ 夏休み
2018年 08月 09日
長崎原爆犠牲者に黙祷
1945年8月9日午前11時5分、アメリカ軍は長崎市にプルトニウム型原爆を投下した時刻である。同年8月6日午前8時15分、広島にウラン型原子爆弾を投下したばかりなのに。
かような無差別大量殺戮に対し、アメリカ軍は戦争終結を早める為だったと言うが納得など出来ない。殺戮された人は、無念の思いを今も漂わせているのではないか。
そう思い、事前に黙祷の時間の許可を貰い、環境ISO審査中ながら長崎原爆投下の時間になったところで、審査先の人と一緒に1分の黙祷を開始した。
どの位の時間が経ったか、腕時計を確かめる。予定を過ぎていたが、自分を除く全員は目を閉じたまま。
「黙祷、終わります」
静かに告げて、環境ISO審査を再開した。
池の上 卵落として トンボ去り
2018年 08月 09日
温暖化を避ける人
今回の旅は、北上する嵐の直撃を受けるものと諦めて御殿場に出掛けました。その後の動きを示す天気図によれば、どうやら嵐を避けることが出来そうです。
これまで、地震や嵐の自然現象が発生する度、地震の発生していない地で何も気が付かず、嵐の直撃を受ける直前に晴れた地に必ず移動することから、相方は自分を「難を避ける人」と呼ぶようになりました。
これは偶然のことで、自分に念力や超能力と言った不思議な力がある訳ではありません。それがあるなら、地震が起こりそうだから備えて置きなさいとか、嵐が来るから外出を控えなさいとか、社会の為に使いたいものです。
それにしても、最近の嵐は過去のものとは異なり、山が抱えきれない雨を一気に落とし、山肌を削ぎ落とすので下方は堪りません。その原因は温暖化の所為ですから、温暖化を避ける人にもなりたいものです。
富士の山 雲に被われ 低くなり