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白髪の旅ガラス

竹林の審査

 松阪駅からタクシーで20分余り、竹林に囲まれたサイトで環境ISO審査を行う機会に恵まれ、一瞬のことながら賢人になったような気分に浸ることが出来ました。

 太い竹が密集して立ち並ぶ光景に出会ったのは、何年振りのことでしょうか。その一本の幹、一匹のカタツムリがゆっくりと這い上がって行く懸命な姿が愛らしい。

小雨の振る中、時間に追われて現場確認する審査員を笑っているようです。浄化槽、廃棄物置場、変電所、コンプレッサーと言った生産を支援する設備の確認と主な生産工程を見て、審査員は気付き事項を提案しなければなりません。

 周囲に人家は無く竹林ばかり、たまに現れるのは野生の猿か猪です。生産活動で環境へ影響を与えるものは、材料やエネルギーの使用、廃棄物の発生であり、組織の課題は生産効率向上や工程ロスの削減が可能な人材育成、竹林の賢者を育てる組織の目標は的を射たものでした。


松阪の 牛の像見て 夏は過ぎ

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# by tabigarasu-iso | 2019-08-31 11:27 | 随筆 | Comments(0)

取組み計画なし

 2015年に改訂された環境ISOでは、取組み計画を策定する要求が追加されましたが、どうも理解されていない組織が多いようです。中には、環境マネジメントマニュアルから取組み計画を除いている場合もあり、その必要性を審査時に説明しなければなりません。

「マニュアルから取組み計画を除いた理由は」

「・・・」

「理由もなく除かれたのですか」

「必要ないと思いまして」

「規格要求事項に余分なものは、一つもありません」

 それから、何を取組み計画では要求しているか、審査員は白板を借り図で説明しました。

「ここまで、〇、△、□を決めましたが、同時に全てを環境ISOで取り扱うことは出来ない場合もあり、その理由として財務や運用がありますから、これらを考慮して、環境ISOで取組むか、品質ISOで取組むか、それとも他の仕組みで取組むか、計画することを要求しているのです」

「そうでしたか、初めて知りました」

 初めて知った方の顔は、今後どうしたら良いのか分からない表情です。そこで、審査員は〇の取組み計画の事例として、環境ISOで取組む場合、品質ISOで取組む場合、他の仕組みで取組む場合を白板で説明しました。

「すいません。これをカメラで撮影しても構いませんか」

「どうぞ」


暑い夜に カレーうどんで 汗を出し

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# by tabigarasu-iso | 2019-08-30 18:12 | ISOマネジメント | Comments(0)

干支の一致で昇り龍

 ある組織の審査場面、業務目標と環境目標の統合が上手く進み、その進捗も順調です。

「ところで、環境目標を設定する際に考慮に入れたものは何でしたか」

「・・・」

「リスク及び機会を考慮されましたか」

「・・・」

 こうして審査は静かに進みますが、審査相手の顔には緊張の糸が現れたまま消えそうにもありません。

「環境方針から導かれた環境目標では」

「ええ、その通りです」

 自信を持って答えて貰い、審査員も安堵します。

 そこで審査員は、環境方針の決定について確認しました。

「環境方針は、組織の目的や環境影響に適したものですか」

「・・ええ」

「でしたら、あなたの部門が引き起こす環境影響も反映されていますね」

「・・ええ」

「どんな活動が原因で、どんな環境影響ですか」

「・・・」

 答えに悩む部門の審査、話題を変えて気分も変えなくてはなりません。

「ところで、自分の干支は辰ですが、皆さんの干支は」

 訊いた審査員が驚きました。全員、干支が辰です。

「では、これから昇り龍になりましょう」

 かように勢い付けて、改善事項の議論となりました。


松坂の 城跡守る 夏草よ

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# by tabigarasu-iso | 2019-08-29 22:00 | 随筆 | Comments(0)

肥大化する地球の胃袋

 国際連合が発表した世界人口予測2019年度によれば、2019年の世界人口は77億人とのこと。10年後の2030年には85億人になる予定ですから、人口が減り続け、高齢者が目立つ日本の地方の住民にすれば羨ましい人口増かも知れません。

とは言え、増加する人口を支える食糧が増加しないことには、飢える人が今以上に増えることになります。毎日、沢山の食糧を捨てている生活者も多数ですから、無駄な食糧は買わない、買った食糧は捨てない、その上で地球レベルの食糧供給バランスを検討しなければなりません。

どれほど10年間で人口が増加するか、試算によれば1日に22万人です。食糧は田畑を耕し、種を撒き、穀物を収穫し、そのまま食べる場合と穀物を家畜に食べさせ、その肉を食べる場合とがあり、何れにしても人口増加のスピードには間に合いません。

気候の温暖化が進むと、穀物の収穫予定もマイナスの方向に変動しますから、肥大化する地球の胃袋に入る食糧は大きく不足することになります。自分で食糧を収穫出来ない人は、他者から食糧を購入していますが、食糧が不足すれば値段は上がり、貧しい人は購入出来ません。それは、他人事ではないのです。


庭先に 植えたシシトウ 辛くなり

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# by tabigarasu-iso | 2019-08-28 16:30 | 随筆 | Comments(0)

ヘルプミィー

 吾輩は虎猫である

 野良猫から家猫へ

 立場を変えて五年

 ねぐらは何カ所も

 ところが困ったな

 出口閉められては

 鳴いても届かない

ヘルプミィーの声

諦めて再び眠れば

外で呼ぶ声に起き

申し訳なく出す声

誰か気付いてくれ

さもなければ尿意

我慢出来ずに漏れ

始末に迷惑掛ける

それは避けたくて

恥忍び大声出せば

漸く観音開きの扉

開いて見えたのは

仏様ではなく爺様


処暑過ぎ 昼寝も過ぎる ねぐらかな

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# by tabigarasu-iso | 2019-08-27 21:30 | | Comments(0)

地球の肺が危ない

 このところ、ブラジルのアマゾンにおける森林火災が頻発しているようです。自然現象なのか、人為的なものか分かりませんが、早急に鎮火させなければなりません。

さもないと、地球の肺として大気中の二酸化炭素を吸収し、酸素を大気に放出する機能が弱体化する恐れがあり、国外からも強い要望がブラジルに出されているようです。

しかしながら、森林保護より開発を目指すリーダーへの指示がある限り、焼畑による森林火災は減少することはありません。火災で森林を焼いて畑にしようとする目的ですから、政策の転換が必須です。

けれど、生活を豊かにしようとする権利は、どの国にも言えることであり、二酸化炭素を減らす為に化石燃料の使用削減する先進国が、化石燃料を使う使って経済発展しようする後進国に対し、二酸化炭素の排出量を減らせと言うのに等しい。

この問題の解決は、地球の肺の機能を守るブラジルに対し、二酸化炭素を排出する国が、炭素税を支払う制度の確立に他なりません。日本の森林を守る関係者に対し、水と空気の供給それに治水の対価を税金から支払うのと同じです。


子ヤモリめ 娘の家に 顔出して

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# by tabigarasu-iso | 2019-08-26 19:30 | 随筆 | Comments(0)

ヤモリも滑り落ちる

 これまで、毎夜、台所のガラス窓に出現するヤモリの話は何度もしましたが、そこから下へ想像もしていなかったヤモリの落下する話は初めてのことです。

 見る度、身体が一回り大きくなるヤモリの獲物を捕らえる動きは慣れたもの、狙った獲物を外すことは殆どなくなりました。これは、何度も繰り返す失敗から学んだ成果でしょう。

吸盤になる指先を器用に使い、平らなガラスをゆっくり移動したかと思えば、獲物を追い詰めて素早い動きで一口に咥え込み、胃袋へと送り込む動きがガラス越しに見えます。

今宵は雨の所為か獲物の飛来も少なく、暇そうに移動していたヤモリが急に落下して行きました。流石のヤモリも連夜の狩に疲れ、居眠りでもして吸盤の使い方を忘れたようです。


知事選で 選ぶ相手を 蝉に訊く

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# by tabigarasu-iso | 2019-08-25 12:22 | 随筆 | Comments(0)

雨が止んだら

 雨が止んだら、居眠り猫は散歩に出掛けようとして主人に甘える。それまで、ダンボール箱のねぐらに沈み込み、頭を抱えて眠っていたのに現金なこと。

雨が止んだら、入口の傘立てに置いた筈の傘を忘れて帰路に着き、電車の乗り込んだところで思い出す。高い傘なら連絡して送って貰う価値もあろうが、安い傘なら送って貰う代金の方が高くなるから諦める。

雨が止んだら、暮れ行く西の空を見上げてみれば、逃げ遅れた雲の群、何処へ隠れようかと右往左往だ。それはそれで、空の政権交代を見るようで勉強になる。

雨が止んだら、お別れなのね。これが歌の科白だと判る世代は昔の人、今の人には判るまい。それに、雨の音する間、居眠りしていた猫にも判らないだろう。


雨上がり 蝉の鳴き声 数を増し


# by tabigarasu-iso | 2019-08-24 10:10 | 随筆 | Comments(0)

海が見える

 山林に囲まれた高原の村で生まれ育った山猿は、海を見せれば押し黙る。これほど大きな川は、何処へ行っても見たことがない。恐れをなして、山林に逃げ帰ることであろう。

 同じようなことは、海を見る機会の少ない人間にも言える。熱海駅に停車した新幹線の窓から灰色に波打つ海を見付けると、波間から何が現れるのか確かめずにはいられない。

 その海、人間の排泄した汚水や人間の捨てたプラスチック容器が細かく砕かれたマイクロプラスチックで汚れている。排出者の責任として、浄化設備で汚れた海水を汲み上げ浄化しなければならない。

 それは、水槽で魚を飼育するのと同じことである。魚の排泄する糞尿は藻が吸収し、残りはバクテリアが汚泥化して水槽上部のフィルターを汚す。これを清掃するのは飼育する人間の役目、海の汚れにも同じことが言えるだろう。


山猿が 秋の海見て 声上げた


# by tabigarasu-iso | 2019-08-23 21:37 | 随筆 | Comments(0)

高層ビルよ

 見上げても先端の見えない高層ビルに

 大きな地震で揺れたら中は大変だろう

ビルで働く人の神経は乱れないものか

 重過ぎて地中にめり込む恐れはないか

 窓ガラスの清掃に命を懸けるのは誰か

やがて解体されるが足場はどうするか

土地は狭いから自由な空を使う身勝手

道を塞がれた風や光の自由忘れないで


赤とんぼ 高層ビルは 息切れる

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# by tabigarasu-iso | 2019-08-22 21:22 | | Comments(0)