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白髪の旅ガラス

<   2010年 05月 ( 32 )   > この月の画像一覧

急患配慮クリニック

 ここ数年、近所で赤子の姿を見掛けることが稀になりました。隣組の寄り合いに参加しても、還暦前は若造と言われます。もう十年も経てば、この辺りは年金暮らしの爺婆部落になること、間違いありません。

 そこに、間違って子連れでも通り掛かれば、暇を持て余した隣組は、この時とばかり通りに這い出し、物珍しく眺めることでしょう。また、他に仕事がなければ、行く先は通い慣れた近場のクリニックが集合場所になります。

 年を重ねれば、誰でもどこかは具合が悪いもの。クリニックに診察を申し込めば、毎日の通院が必要な病でなくても、順番を待てば診てくれることでしょう。それまでは、冷暖房の効いた待合室で、誰に遠慮することなく顔馴染みと話ができます。

 こんな快適な寄り合い場所はありませんが、急を要する患者にとっては困りもの。高い熱が出て意識も遠く、腹が差し込む痛さで座っても居られず、さりとて先に並んだ人の前に診察を申し出る勇気もなく、じっと診察の順番を待つ。そんな方を優先する急患配慮クリニックは、これから繁盛することでしょう。

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雨を受け 色鮮やかな アヤメあり
by tabigarasu-iso | 2010-05-12 18:00 | コンサルサービス | Comments(0)

バランス

 競馬、スケート、陸上トラック競技など、左回りのものばかりですが、何故でしょう。
「あら、右折の方が得意よ」
 どうやら、その方はトラックを貨物自動車と勘違いしたようです。
「そうではなく、人が競技場を走る場合ですが」
 それでも、その方は諦めません。
「でも、時計は右回りでしょ」

 その通りです。けれど、自然界を見渡せば台風の目のように左回りが実に多い。地球の自転が原因のようですが、人の運動に左回りが多いのは、心臓の配置に関係があるようです。一度、右回りにトラックを走って見れば、それを実感することができるでしょう。

 ならば、その方が指摘されたように、時計の針は自然界の法則とは異なり、何故右回りに作られたのでしょうか。時計の文字盤を左回りに想定し、目を閉じ時刻を追ってみて下さい。慣れない所為もあるでしょうが、頭が不自然に揺れて船酔い気分になることでしょう。

 どうやら、目の動きは右回りの方が安定しているようです。足元は左回りの方が安定していますから、同じ身体で右回りと左回りが同居していると言えるでしょう。丁度、ヘリコプターのプロペラの主翼と尾翼とが逆回転でバランスを取っているのと同じ現象なのかも知れません。

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右左 視点変えれば 同じ向き 
by tabigarasu-iso | 2010-05-11 00:07 | 随筆 | Comments(0)

左回り

 品質ISOのPDCAサイクルは、規格では左回りの図になっています。一方、環境ISOのPDCAサイクルは、規格では右回りの図ですから、同じ組織で品質と環境のISOを導入する場合には、どちらのサイクル図を選ぶのか迷われることでしょう。国際標準を審議するのがISOの役目ですから、品質と環境のPDCAサイクル図は統一して貰いたいものです。

 ところで、我家の愛犬は、寝る前の儀式として左に何度か回り、たぶん草を倒し終えたところで横になりますから、これまで19年もの間、品質ISOのPDCAサイクルを欠かさず実行しておりました。また、その主人は愛犬に癒されながら環境ISOのコンサルを13年間も営んでおりますから、品質と環境のPDCAサイクルは、同じ屋根の下で仲良く共存していると言えましょう。

 それが、或る日から昼夜問わず左回りを繰り返すようになりました。左回りばかりでは、単独で水を飲みに行き、ドッグフードを食べに行くのも難しい。また、近場を散歩したくても先に進まず散歩になりません。人が誘導してあげられる時は良いのですが、昼の間、単独で留守番して貰う際には、朝の内に排泄、食事、それに給水を済ませて置くことが必要になりました。

 これまで、水だけは自由に飲んでいましたから、それまで朝に強要しなくてはなりません。これは、愛犬に良く話して理解して貰う必要があります。幸いにして、話せば判る相手ですが、何故、左回りを始めたのか理由を知らなければ、手の打ち様がありません。心臓が左にある為とか、地球の自転の影響だとか、脳腫瘍の為だとか諸説ありますが、何れも高齢犬にはどうしようもないことばかりです。

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地震あり ニュースで消えた 落ちもあり
by tabigarasu-iso | 2010-05-10 08:45 | ISOマネジメント | Comments(0)

あなたが首相なら

「沖縄県に配置された米軍基地問題、あなたが首相ならどうしますか」
「はい。沖縄県だけに多くの負担を掛けることを止め、米軍は全国に配置された自衛隊の基地に分散して頂きます」
「沖縄から米軍基地を失くす方向ですか」
「勿論です。狭い島の使い勝っての良い所を占拠されていますから」
「それでは、悪意を持った国が我が国を攻撃してきたら、どう対処しますか」
「勿論、自衛隊で防衛します。ただ、自衛隊は国内のみですから、悪意を持った国に対しては、米軍に反撃をお願いするしかありません」
「その拠点として、沖縄の米軍基地を想定しているのではないでしょか」
「悪意を持った国として想定できるのは、現時点では日本海に向けてミサイルを発射する国ですから、沖縄に米軍基地を固執する必要はないと考えます。それに、軍事衛星やミサイルの性能が上がり、何処からでも攻撃は可能になりました。また、兵士が戦場に赴くのは占領の段階ですから、沖縄に米軍基地を置き、多くの兵士を常駐させる必要はありません」
「では、何故、米軍は日本から撤退しないのでしょう」
「駐留することでメリットのある人が居るからです」
「それが誰とは聞きませんが、いずれにしても沖縄に米軍基地が集中する必要性は無いようですね」
「繰り返しになりますが、その通りです」

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サツキ前 化粧見劣り 仕方ない
by tabigarasu-iso | 2010-05-09 00:05 | 小説 | Comments(0)

睡魔に襲われ

 何としても瞼が重たく、無理して眼を開いても脳が眠り、やがて心臓の動きが静かになります。両手は懸命に仕事をしようと机の上で待ち構えているものの、眼からの情報が途絶え脳も何の指令も発しませんから、軽く空気を掴んだ状態のまま動きようがありません。

 そんな時には無理をしないで寝床に入り、身体を冷やさないよう短時間でも良いから眠ります。瞬く間に深い眠りに入りますから、心身ともに休むことができるでしょう。余裕があれば自然に眼が覚めるまで眠るのが一番ですが、一時間も経てば睡魔も何処かに消え失せ、すっきりした頭で仕事に集中できます。

 連休が明けて、いつもの仕事に戻った際に睡魔は襲う。自宅であれば寝床に入れますが、仕事先では勝手に眠る訳には行きませんから、黙って席を立ち洗面所で顔を洗い、熱いコーヒーを買いに行く。そんな事をする間に、睡魔も呆れて何処かに立ち去って行きます。

 身体とは良く出来たもので、休みと知れば筋肉も脳も緊張が解れ、昼間から頻繁に睡魔を迎えるものですが、仕事となればそれが終わるまで睡魔を寄せ付けない。そうは言っても、仕事中に良く眠る人も沢山居ますから、そんな人ばかり集まった組織は、いつまでも連休が明けず倒産することになるでしょう。
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連休の 谷間に襲う 睡魔かな
by tabigarasu-iso | 2010-05-08 00:00 | 随筆 | Comments(0)

今頃の自分は粗大ごみ

 壊れたギター、古い電気ストーブ、薄汚れた座椅子、玩具を入れる大きな木箱、子供が学生時代に使った折り畳み式の木の椅子と机、それに使わなくなり十年経つホワイトボード、これら粗大ごみを車の後部座席に押し込んで、市営の廃棄物処理場に行きました。

 車で走ること20分余り、すっかり人家から離れた高速道路の傍に煙突が見えます。それを目印に車を走らせ、着いたところで大きな秤にそのまま載り、案内された粗大ごみのスペースで手早く降ろせば、直ぐに別のトラックの荷台に分別され、次の作業場へと持ち去られました。

 想い出の深い品々に別れを惜しむ間もなく、帰り際の秤に再び載って料金を払おうと車から降りたところで、もう一度秤に載ってくださいと言われ、やけに疑い深い方だと内心では思いましたが、それは誤解だったようです。

 伝票を受け取り、処理料金を聞けば、粗大ごみの重さが50kgで合計400円とのこと。帰りの秤に自分が載っていなければ、その分の重さが追加されることになり、110kgが粗大ごみの処理料金になりますから、計量を担当されていた方は親切な人でした。その人が意地悪な方であれば、今頃の自分は粗大ごみとして処理されていたことでしょう。

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藤の花 風に任せて フラダンス
by tabigarasu-iso | 2010-05-07 00:22 | 随筆 | Comments(0)

老い

 老いは誰にも訪れる。
 老い方は人によって異なる。
 頭が薄くなると人相が変わる。
 頭が白くなると老けて見える。
 顔が皺になれば誰だか判らなくなる。
 そんな老人に改札を出た所で名を呼ばれた。
 故郷の駅だから見知った人が居ても不思議ではなかった。
 皺だらけの顔を良く見詰めて想い出した。
 高校まで一緒であった同級生だった。
 それにしても良く老けた。
 そう相手も思っている。
 それは間違いない。


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鯉の舞う 空が狭くて 街を出る
by tabigarasu-iso | 2010-05-06 09:50 | 随筆 | Comments(0)

備忘録

 読み返す当てもない日記に見切りを付けて数年が経つ。それほど困ることもないが、一年前の今頃は何をしていたのか、殆ど想い出せない。想い出しても、それが二年前の事であったり、或いは三年前の事であったり、曖昧な領域から抜け出せずに居る。

 何があったのか、その日の事実を書き記す日記は必要かも知れない。何を思い、どう感じたのか、思想や感情に触れる日記には飽きたが、一日として同じ日のない過去を振り返り、自分史をまとめ、仕事の実績をまとめ、気候変動を追い、政治家の公約を確認するためにも、備忘録として日記の必要性を感じる。

 そこで只今より、その日の天候、身近な出来事、それに聞き及んだ世界的な出来事まで記す日記を復活させることにした。何もなければ、その日の天気が暑いでも寒いでも構わない。また、毎年楽しむ山菜の育ちが遅れていることでも、振り返って異常気象を分析する資料として役立つであろう。

 天候や政治家の発言を確認するなら新聞記事でも事は足りるが、日記は自分の頭でまとめ自分の手で書くプロセスが重要である。そうすることで、記憶として強く残り、まとめる能力も磨かれ、言語として他人に伝える人間力が増す。一方、自分の思想は誰かに読んで貰いたいものだから、備忘録ではなくブログで公表するのが宜しい。

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備忘録 何処に置いたか 探す夜
by tabigarasu-iso | 2010-05-05 12:08 | 随筆 | Comments(0)

母を訪ねて三十里

 特急電車に乗れば二時間半、わずか三十里ばかり離れた故郷だが、子が母を訪ねる想いは、三千里のものと変わらない。そんな想いで、八十八歳の誕生日を迎えた母の米寿を祝う集が浅間の隠し温泉で開かれ、子供夫婦、孫、ひ孫の総勢二十人が揃う。

 こうして身近な肉親だけが集まるのは、十八年振りのことである。当時は経済バブルが弾け、新しい仕事に挑戦し始めた時期であったから、大勢が揃い好きな話に喧しい宴であっても、その雰囲気に浸ることだけで、疲れた心が癒されたことを想い出しながら。

 今では、二人の子供も学校を卒業して社会人になり、親としての役目を終えて孫から爺様と呼ばれるようになった。これからの人生は、世話になった社会への恩返しの時期である。その一人が母であるから、気持を込めた祝を贈ろう。

 近場の子供が相談して購入したのは、そば殻入りの枕であった。他にも身近な品が数点、明日から使えるものばかりである。三十里離れて日常の世話が出来ない子としては、その他に何かと考えた挙句、母の好きな紫色の財布を用意した。それは母の日のプレゼントとして、その中に少しばかりの小遣いを忘れずに。

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濃い薄い 緑を競う 山並め 
by tabigarasu-iso | 2010-05-04 16:22 | 随筆 | Comments(0)

遅い春

 季節外れの大雪の所為か、いつもならは散り始めている桜も満開であった。海抜八百メートルの高原では、梅、桃、桜が揃って花を咲かせる。それは見事なものだが、これまで五月の連休では、その面影しか残っていなかった。だが、今回は遅い春のお陰で見所に間に合う。

 その一方、木の芽は蕾から出たばかりで、木肌を覆うまで葉が成長していない。いつもなら、好物のタラの芽も食べ頃になっている時期だが、枝先に出たばかりで指先で掴む余地もないから、その後の成長を想像するだけで満足するしかなかった。

 春の食卓には欠かせないセリの生長も遅く、腰が痛むのを我慢しながら摘み取っても、丈が短いからなかなか量が増えない。それでも、冬を越した逞しい野草だから、軽く湯に通してから刻み、醤油を掛けて食べれば、独特の苦味と香が口中に広がる。

 そればかり狙って箸を付け、充分過ぎるほど飲んだ翌日のこと、川のせせらぎに起されて目覚めれば、何処かで鶯が鳴く。外に出て梢を捜すが、声ばかりで姿は見えない。諦めて引き返そうとした時、こちらですよと又鳴いた。

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山肌に 一人化粧の 山桜
by tabigarasu-iso | 2010-05-03 19:50 | 随筆 | Comments(0)