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白髪の旅ガラス

カテゴリ:ISOマネジメント( 456 )

45分の審査

 初めて訪問する組織の部門審査の時間が45分の場合、何を確認したら有効な審査になるでしょう。まず、業務内容と課題の確認、課題に関するリスク及び機会の確認で10分は必要になります。


次いで、重点管理項目の確認、法規制の確認、目標の確認で20分、その進捗確認で10分、内部監査結果の確認で5分で終い。かように忙しくすれば、審査を受ける側が疲れますから、一部門で全てを終わらせようとしてはいけません。


Aの部門では重点管理項目の確認で終え、Bの部門では目標とその進捗を中心に確認し、Cの部門では内部監査の結果と経営者のマネジメントレビューへの対応を中心に確認します。


こうすれば、一部門でPDCAサイクルの確認は完結しませんが、45分の審査時間でも組織のシステムの良い点や改善点の一部を確認することは可能になるでしょう。ただ、現場を見る、社員にインタビューする等、システムの浸透具合の確認は出来ません。


大阪の 城まで行って 石を見る

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by tabigarasu-iso | 2018-11-29 07:30 | ISOマネジメント | Comments(0)

 環境ISO規格は2015年版に切り替わりましたが、マニュアルの内容が2004年版の組織が未だあります。マニュアルなどなくても審査対応することは可能ですが、内部の関係者に周知する説明資料としては、今後もマニュアルは必要でしょう。


 環境ISO規格の要求事項を組織の事情に合わせて説明するマニュアルなら、最新の2015年版に合わせた内容でなくては意味がありません。例えば、2015年版で新しく要求事項になったものとして次のものがありますから。

1)内外の課題の決定

2)利害関係者との約束

3)リスク及び機会の決定

4)取組みの計画策定

5)事業プロセスと環境ISO要求事項の統合


 これらに殆ど触れていないマニュアルを見て、目の前が暗くなりました。果たして、2015年版の移行審査では、どのような指摘がなされたのか、なされなかったのか。不適合は勿論のこと改善の機会もなく、移行は適切であるとの評価でした。きっと、マニュアル以外の質疑応答で要求事項を満たしていると判断したのでしょう。


それにしても、2004年版マニュアルでは、2015年版の要求事項から外れる可能性が非常に高く、2015年版に詳しい方が在籍する間は審査時に問題なくても、その後のシステム維持は難しい。来る審査時には、2015年版に移行しないマニュアルの改善事項を幾つかあげることになるでしょう。


 冬間近 聞く耳持てと 熊に言い


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by tabigarasu-iso | 2018-11-02 10:00 | ISOマネジメント | Comments(0)

 これまで、経営責任者に面談しても審査することはありませんでした。それが22年を経て、何の風の吹き回しか知りませんが、経営責任者を審査することになったのです。


 審査するからには、審査基準がなくてはなりません。その中には、仕組みの有効性を説明する責任のくだりがあります。質問の仕方に気を配りながら、審査を進めますが、有効ではない説明には何としましょう。


「兎に角、策が稚拙でしょう。どうしてか、お考えを聞かせて貰えますか」

 環境目標の実行策に中身のないことを訴えている相手に返す言葉は簡単です。

「社長の作成された環境方針に社長の狙いが明確でないからです」

「そうですか」

「はい」


 業務が順調で利益を生み出している会社で、環境ISOの仕組みが有効でないとするなら、その原因は環境方針にあります。それを経営責任者に言い切るには、審査の枕で経営責任者には本音で話して頂き、審査員も本音で答える場の約束をしなければなりません。


「どのように環境方針を変えれば宜しい」

「具体的には申し上げられない立場ですが、今の環境方針は環境負荷を削減することだけに終始しており、利益を上げ続ける会社の本音がありません。環境方針を実現するのが環境ISOの仕組みですから、それに触れる内容が必要では」

「いや、そうでしたか。具体的なアドバイス、ありがとうございました」

「いえ、社長の意見から導かれた感想を述べただけです」


 晴れた空 セスナエンジン 鳴り響く

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by tabigarasu-iso | 2018-10-25 14:56 | ISOマネジメント | Comments(0)

不十分な施策

 今や、業務目標と環境目標の統合は、当然のことながら当たり前になりました。しかしながら、考慮に入れる「環境側面」や「順守評価」が無視されたり、考慮する「リスク及び機会」が不明な環境目標が登場しています。


 これでは、環境目標を達成する際の施策に関し、プロセスを構成する設備、人の力量、作業手順、評価基準の要素で何を管理したら良いのか判りません。施策の要が不明では、目標未達成を繰り返すことになるでしょう。


 例えば、「生産効率の向上により省エネ前年比3%」の環境目標が設定された場合、何処の何を管理すれば省エネになるのか不明です。そこで、熱処理プロセスの熱源になる「電気使用量」と言う環境側面の削減に関し、設備更新、手順改善、操作能力の向上、点検基準の変更、何れに手を付けるのか、検討が可能になるのも環境側面を考慮に入れた結果に他なりません。


また、環境目標の策定には、リスク及び機会を考慮することになっていますが、「生産効率の向上により省エネ前年比3%」の環境目標に関するリスク及び機会が不明な場合があります。生産効率の向上はコストダウンや省エネに繋がる機会であり、生産効率の低下はコストアップやエネルギー増加によるリスクであること、頭では承知していながら文書化していない場合の何と多いことでしょう。


 これらの原因は、環境ISO規格の理解が不十分なこと、環境ISO審査で規格要求事項の説明が十分でないこと、更に、環境目標を策定する際、考慮に入れる内容と考慮する内容が不十分でも、審査員が指摘しないからに他なりません。


倉の中 ネズミ小僧の 顔浮かび

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by tabigarasu-iso | 2018-10-22 10:10 | ISOマネジメント | Comments(0)

報告書と実態の乖離

 審査報告書は、審査を受ける企業に報告するだけでなく、審査機関の判定委員会にも上申するものですから、審査員は両者を念頭にまとめます。


審査を受けた企業には、不適合ばかりでは審査が厭になりますから、審査員は管理責任者や事務局の立場も考え、良い点の記載を忘れません。一方、審査現場を全く知らない判定委員会の場で、審査員の所見が矛盾なく通るよう、審査報告書の流れは綺麗に編集します。


ところが、中には実態と審査報告書の乖離が著しい場合もありますから、次の審査では、そのギャップを改めて表に出すか、そのままギャップは無いことにして置くか、審査員は余分に迷わなければなりません。


どんな点に乖離が多いかと言えば、規格が改訂されて追加要求になった点です。例えば、「内外の課題を決定する」要求に対し、決定内容が不明にも関わらず、さも明確に決定されているような報告がなされていること。前の審査員の想像力の豊かさには、脱帽せざるを得ません。


次に多いのが、環境負荷の削減だけを環境目標に掲げ、業務目標と環境目標の統合がなされていない実態に対し、全く報告書では触れていない例です。これでは、環境ISOは審査の為だけで、やがて業務の役に立たないと言われますから、審査員は覚悟を決めて審査報告書にまとめなければなりませんね。


叱るより 誉めて育てる 報告書


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by tabigarasu-iso | 2018-10-12 10:00 | ISOマネジメント | Comments(0)

人工知能と審査員の未来

 人工知能の普及は、審査の世界にどのような影響を及ぼすものでしょうか。審査の世界は、人生経験が豊富で年金受給資格の老人で運用されています。従い、経験豊富な老人に勝る知識と判断力が人工知能にも求められますから、簡単に参入できる分野ではありません。


 しかしながら、幾ら人生経験が豊富とは言え、組織の経営まで経験された方は少なく、マネジメントシステムの弱点や改善の知恵まで持ち合わせていない審査員が大半でしょう。そこで審査員としては、法規制やマニュアルからの逸脱を検出することになります。


法規制やマニュアルからの逸脱だけを検出するなら、人工知能の方が得意のようです。何しろ記憶力と識別の能力は人工知能の得意分野ですから、審査員は人口知能に置き換わった方が速くて安くて正確で宜しい。


経験豊富な老人の知識と判断力を発揮する審査は、経営者の本心を聞き出し、現場で相手の顔色を読み、指摘したい要所は指摘せず、対応し易い点を指摘することで、仕組みの改善が可能になる審査です。これは、審査員でも出来る人の少ない高等な審査ですから、人工知能では対応できません。


ロボットに 負けない審査 目指しても



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by tabigarasu-iso | 2018-10-09 16:30 | ISOマネジメント | Comments(0)

内部監査準備のコツ

 内部監査員養成コースを修了したからと言って、内部監査がすぐ出来る訳ではありません。車の免許は取ったものの、誰も同乗してくれないのと同じですから、安心して乗って貰える工夫が内部監査にも必要です。


 その工夫を忘れないよう紙に書いて置けば、初めて監査を行う場合にも心強い味方になるでしょう。では、どんな内容を書いたら良いのか、そのコツを紹介します。


マニュアルから監査を受ける側の役割確認が一つ、その役割が規格や法規制に適合しているか確認するのがもう一つ、これだけですから迷うことは何もありません。


ただ、規格や法規制の理解が必要です。そこで、規格の不明な箇所があれば何を要求しているのか、調べた内容を自分の言葉で書いて置きましょう。また、監査する相手が守る必要のある法規制の要求内容も調べる必要があります。


調べた内容を内部監査チェックシートにまとめて置けば、質問する内容には困りません。また、相手の答えが正しいのか誤っているのか判断する材料として、事実を予め調べて置くことが可能であれば、それもチェックシートに追記して置きます。


例えば、次の様な質問と確認が可能になるでしょう。

「前年度の目標の達成状況を説明してください」

「全て目標を達成しています」

「そうですか。事務局に確認したところ、前年度は生産効率向上の目標が未達成ですが、間違いありませんか」

「ええ、指摘の通りです」

「それでは、目標未達成の処置は」

「何もしていません」

「是正処置が必要とマニュアルには定めていますね」

「はい」


段取りが 八割占める 監査でも

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by tabigarasu-iso | 2018-10-03 06:45 | ISOマネジメント | Comments(0)

ISO14001審査の課題

 ISO14001:2004規格からISO14001:2015規格へ移行した組織に対して実施された審査の解決しなければならない課題について、審査員、審査機関それに審査を受けた組織に向け提案します。


 課題1)組織の目的に関連する外部及び内部の課題の決定

 組織の目的を明らかにしていない組織が多数あります。目的を達成する観点から外部や内部の課題が決定される筈ですが、目的が不明のまま外部及び内部の課題が決定されている組織の何と多いことでしょう。

これを審査員が見逃し、審査機関でも見逃す結果、組織の目的の達成にISO14001が役に立たないと言う誤解を生じます。

組織は、自らが存続する目的を明らかにしましょう。それは、社員の為にも、顧客の為にも有効なメッセージになる筈です。

審査員は、組織の目的が不明な場合、組織と議論すること、改善の機会として取り上げ、議論を次の審査員へ引き続がなければなりません。

審査機関は、審査員の報告書から組織の目的が明確か確認し、不明確であれば、次の審査で確認する指示を出す必要があります。


 課題2)環境マネジメントシステムの適用範囲の決定

 未だ、組織のサイト内の環境側面の管理だけで良しとする組織が多数あります。環境マネジメントシステムは、組織が管理し影響を及ぼせる範囲の環境側面を管理するものですが、これを文書化し利害関係者が入手できるようにする要求事項が追加されました。

 組織は、自らが管理できる活動、製品、サービスの範囲を文書化するだけでなく、影響を及ぼせる範囲として、燃料運搬委託、材料運搬委託、製品運搬委託、協力会社、廃棄物処理委託先などを文書化することが必要です。文書化しない場合、何故文書化しないのか、第三者の審査員に説明しなければなりません。

 審査員は、文書化したEMSの適用範囲に協力会社や廃物処理委託先を考慮したのか確認する必要があります。協力会社や廃棄物処理委託先が適用範囲に文書化されていない場合、考慮した結果なのか否か、確認しなければなりません。

審査機関は、審査員の報告書からEMSの適用範囲が適切か否か確認し、影響を及ぼせる範囲の確認が不十分であれば、次の審査で確認する指示が必要です。


課題3)環境側面の決定

 環境側面は、環境マネジメントシステムの適用範囲の中で、ライフサイクルの視点を考慮して決めます。しかしながら、適用範囲に含むべき協力会社の活動や廃棄物処理委託に関する環境側面が決定されていない場合があります。

組織は、適用範囲の理解を改めて、影響を及ぼす範囲の活動に関する環境側面を決定しなければなりません。

審査員は、適用範囲に協力会社や廃棄物処理委託先が含まれることを確認した上で、環境側面の決定に不足があれば指摘事項として組織に伝える必要があります。

審査機関は、審査員の報告書、組織から入手した環境側面の決定した資料を確認し、審査員が報告書で触れていなければ、次の審査で検証する指示を出さなければなりません。


この他にも、組織の規格要求事項の理解不足や審査員の検証不足や説明不足、それに審査機関の審査報告書の検証や次の審査への指示不足により、規格要求事項を満たしていない場合があります。しかしながら、環境ISOとは関係ない方には面白くない内容ですから、次の機会に紹介することにしましょう。


晴れ渡る 空を睨んで 猫昼寝

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by tabigarasu-iso | 2018-09-30 09:00 | ISOマネジメント | Comments(0)

予想外の審査評価

 審査員は、組織の為に厳しい審査をする習性があります。中には手を抜いて、当り障りのない審査で終える審査員も居ますが、組織からの評価は審査員の思惑通りにはなりません。


先日の審査は、過去の審査員が見逃した点まで厳しく追及したものでした。従い、事務局の方は簡単には納得してくれません。それでも、誤解を正さないことには、環境ISOの意図する成果を達成することは叶わず、繰り返し説明した上で軌道修正を提案します。


 環境ISOの意図する成果は、事業目的を達成する視点から、環境目標の達成、環境パフォーマンスの向上(環境負荷の低減)、順守義務を満たす(コンプライアンス体制の強化)ことですから、それをシステムの推進役である事務局に理解して貰わなければなりません。


 とは言え、事務局の審査を厳しくすれば、事務局が審査員を評価する立場にありますから、後日届く審査員評価は厳しくなるものです。それは覚悟の上とは言っても、やはり懸命に説明した結果が反映されない評価は虚しい。


 ところが、予想外に大人の評価を頂くこともあります。

「説明等も的確で随分勉強になるところも多く、中身の濃い審査でした」

 かようなコメントが付けば、間違いなく世辞ではありません。


 寝愚図だよ 泣き方変える 孫の知恵

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by tabigarasu-iso | 2018-09-25 13:30 | ISOマネジメント | Comments(0)

サイト責任者の勘違い

 環境ISO審査の席で、サイト責任者の方が胸を張って言います。

「品質は、自分達の仕事のことですから、分かり易い。環境は、法規制を守れば、それで良い。ただ、それが分かり辛い」

「はあ、そうですか」


 言い切る相手には、違いますとも言えません。同じ気持でしょうか、責任者の勘違いを承知の様子で、隣に座っている部下の方も苦笑いしています。勘違いを正そうかと思いましたが、その後、責任者の方は席を離れてしまいました。


 部下の方は、環境ISOの本来の狙いを知らない責任者に触れないようにしているようです。再会しても敢えて触れないことにしましたが、それを見抜いたように、再び現れた責任者の方は言いました。

「今となっては、ISOなど不要ですな」


 環境ISOの審査員を前にして、それを言っては御仕舞いですが、審査は本番を終えていましたから、笑顔で答えます。

「お陰様で、環境ISO審査の初日、無事に終えることが出来ました」

 その時、責任者の方の口元が少しばかり歪みました。


 上見てる 部下の気持を 知らぬ上



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by tabigarasu-iso | 2018-09-23 10:00 | ISOマネジメント | Comments(0)