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白髪の旅ガラス

カテゴリ:ISOマネジメント( 466 )

 環境ISO:2015への移行期間が終了して半年余り、未だ環境ISO:2004の要求事項は満たしていたものの、環境ISO:2015を満たすとは言えない点が明らかになって来ました。

 移行審査を終えたからと言って、全ての移行が十分ではありません。例えば、どんな点が不十分かと言えば、代表的なものとして環境ISO:2015で新たに加わった6.1.4取組み計画の策定でしょう。

 ここでは、著しい環境側面、順守義務、リスク及び機会への取組みをどうするのか計画しなさいと要求し、その際に技術上の選択肢、並びに財務上、運用上及び事業上の要求事項を考慮するとしていますが、これは環境ISO:2004では環境目標を策定する際に考慮する事項でした。

 どこが具合が悪いのか。環境ISO:2015では、著しい環境側面、順守義務、リスク及び機会の取組みを環境マネジメントシステムだけでなく、他のマネジメントシステムで計画する際の考慮する事項を定め、環境目標の策定だけに絞った考慮事項ではないのです。

 では、何故、移行審査で指摘しないのか。環境ISO:2015では、著しい環境側面、順守義務、リスク及び機会に取組む環境マネジメントシステムのプロセスを要求しています。このプロセスなるものは、文書化していなくても説明出来れば良いものですから、環境目標、教育、運用、監視の何れかで扱うのか触れたら問題ありません。

 このプロセスで全く説明されない著しい環境側面、順守義務、リスク及び機会があれば、これは審査で指摘することになりますが、移行審査時に深掘りできない場合は、次の維持審査で言及することになります。かように移行審査から3年間は、こうした落し穴のフォローも審査の課題になるでしょう。


コンサルで 出会った人に 会う審査

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by tabigarasu-iso | 2019-02-18 22:04 | ISOマネジメント | Comments(0)

環境ISOでは、いきなり内外の課題を決定することが要求されます。そこで、まずは課題とは何を指すのか知ることから始めなければなりません。

課題とは、新たに設定する目標と現実を比べ、対策を必要とするギャップのことのようです。例えば、現実の歩留まりは90%ながら、次年度は93%に上げて、従業員給与のベースアップを図りたい場合、このギャップを埋めるのが「課題」であり、「対策」としては仕事の段取りを変更して目標達成することなど。

 これは内部の課題の例ですが、外部の課題としては、原油価格の上昇率を5%と見込んでいたものの、ツイッター大統領の影響で20%の上昇となる方向で、早急な製品値上げが必要になる場合、原油価格の上昇が外部の課題となります。

 ところで、内外の課題は刻々と変化するものですから、毎日の見直しが必要になるものもあるでしょう。それなのに、全ての課題を一年経っても同じとする組織が多いようです。直ぐに対策する課題、一年後に対策する課題、三年後に対策する課題の如く、内外の課題の対策は期限を明らかにしては如何でしょう。


 眠り猫 ネズミ対策 変化あり

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by tabigarasu-iso | 2019-02-14 10:00 | ISOマネジメント | Comments(0)

環境ISOとSDGs

 環境ISOが発行されたのは、今から20年前の19969月のこと。20159月には従来の著しい環境側面を管理する仕組みに加え、内外の課題を決め、利害関係者との約束も決め、リスク及び機会を環境目標に考慮するか、運用管理とするか言った大幅な改訂がなされました。この狙いは、現在及び将来の世代の人々のニーズを満たすため、環境、社会及び経済のバランスを実現することが不可欠であり、到達点として持続可能な開発を目指しています。

 一方、SDGs(持続可能な開発目標)とは、20159月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標であり、持続可能な世界を実現するための17のゴールと169のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っているもので、開発目標に重点を置くもの。

 とは言え、持続可能な開発目標を宣誓したものの、それを実現しなければ意味がありません。そこで活用するのが環境ISOPDCAサイクルです。環境目標として持続可能な開発目標を設定すれば、実施、点検、改善のサイクルが機能して、更に第三者の審査を受ければ、信憑性が増すことでしょう。

 この際、持続可能な開発目標の設定する際の考慮する内容として、持続可能な開発目標を設定しない場合のリスク及びこれを設定した場合の機会も決定することが望まれます。また、利害関係者との約束や内外の課題にも持続可能な開発目標を加えて検討し、更に環境方針にも宣誓すると社員や外部の利害関係者への訴求力が強化されるでしょう。

環境負荷の低減を目標とする環境ISOの仕組みで、目標設定に行き詰った組織に対し、目標設定の枠組みを広げる良い機会ですから、持続可能な開発目標を検討する環境目標から始めては如何でしょう。他社では何を持続可能な開発目標としているのか調査し、自社で取組む機会と取組まないリスクを決め、取り組み易い開発目標を2年目に設定すると良いようです。さあ、行動しましょう。


継続は 力ですから ブログ党

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by tabigarasu-iso | 2019-02-13 10:00 | ISOマネジメント | Comments(0)

異動者のEMS

 複数の拠点を持つ組織では、他の拠点に異動する可能性のある季節が近づいて来ました。異動した先で環境ISOを導入している場合、これまで環境マネジメントシステム(EMS)に関りを持っていなかった方は、早急にEMSを理解する必要に迫られることでしょう。


 まず、異動した先のEMSの狙いを確認する必要があります。環境ISOの審査を受けている拠点であるなら、EMSで管理した結果の向上(二酸化炭素の削減等)、順守義務を満たすこと、それに環境目標の達成がEMSの狙いでなくてはなりませんから、それと自分の業務の関係を上司や事務局に確認しなければなりません。


 また、自部署の環境目標は自部署の業務目標と整合していることが必要です。整合していない場合、環境目標を設定するプロセスの何処に問題あるのか紹介しましょう。

1)業務内容から環境影響の原因になる環境的な側面の抽出において、業務内容に関係する環境的な側面が抽出されていないことが原因。

2)自部署が守る順守義務の特定において、法規制の特定はされていても、利害関係者との約束が特定されていないことが原因。

3)内外の課題、利害関係者との約束、環境的な側面、順守義務に関わるリスク及び機会を考慮していないことが原因。


 従い、環境的な側面、順守義務、利害関係者との約束、内外の課題、リスク及び機会などの意味を理解することが必要です。特に、管理職で異動する方の場合、自分の部下は環境ISOの教育を何度も受け知っている内容ですから、部下に聞くのが宜しい。けれど、それが出来ない管理職の方にキーワードを紹介しましょう。


環境的な側面;環境に影響を与える原因で環境側面と言う。これには、自分で増減を管理出来るもの(電気の使用量や廃棄物の発生量など)と、他の人や組織に依頼や要望を出して増減を管理して貰うもの(有害物質の不使用や梱包材の不使用など)がある。特に、自部署の業務内容を反映させる環境側面が抽出されていないと、環境目標にならず、業務目標との乖離が進む。


利害関係者との約束;仕様書や見積書などに約束した内容を法規制と同等に捉え、それを守ること。一見、環境ではなく品質問題に見えるが、約束を守れない場合、組織の存続が危うい脅威となり、約束を守り続けることで組織の存続の機会になり得る。組織が消滅した場合の設備廃棄等による環境影響は大きい。まずは、自部署が利害関係者と約束した内容把握が必須になる。


内外の課題;自部署に関わる内外の課題を、人、物、資金の観点から把握し、課題が解決した場合、解決しない場合のシナリオを想定すること。これは管理職の仕事であり、これからリスク及び機会を決定し、環境目標にするか、日常管理にすることで、課題を解決する仕組みになり得る。


かように、異動された方は、自部署で優先管理する環境側面、順守する法規制と約束事項、内外課題、これらから想定されるリスク及び機会を把握すれば、これを目標管理にするか、日常管理にするか、それがEMSの内容であることを理解頂ける筈です。


            藻から出て 泳ぎ始める 群メダカ

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by tabigarasu-iso | 2019-02-07 16:10 | ISOマネジメント | Comments(0)

影響と環境影響の違い

 環境ISOでは、組織が影響を及ぼせる環境側面、並びにそれらに伴う環境影響を決定する要求事項があります。ここで、やや紛らわしい「影響」と「環境影響」の違いを明らかにして置きましょう。

 影響(influence)は、組織が要望を出すことにより相手の活動に影響力を及ぼせることであり、例えば、有害物を含む材料提供の中止の要望に対し、材料供給側がその要望を受け入れることです。

環境影響(environmentalimpacts)は、気候の温暖化、資源枯渇、酸性雨、大気汚染や水質汚濁と言ったもので、二酸化炭素の放出、石油の使用、煤煙の発生、汚水の発生などが原因で引き起こされる環境に対する変化の結果にほかなりません。

 組織や私達は、自分達で管理できる範囲は勿論のこと、影響を及ぼせる範囲にまで目を配り、環境に悪影響を与えるものの削減やその要望を伝えることで、気候の温暖化や水質汚濁などの環境影響の悪化を抑制しなければならず、その為にも「影響」と「環境影響」の違いを正しく理解して置きたいものです。


春一番 吹いた知らせに 逃げる冬


by tabigarasu-iso | 2019-02-05 09:30 | ISOマネジメント | Comments(0)

 暇に埋もれて居眠りする時間の多い爺様が目を輝かす場所、それは滅多にありません。若い人が職業に出来ない審査員は、爺様が主流の珍しい職種と言えるでしょう。

その審査員に対して、3年に一度は錆び付いた脳をリフレッシュすることが要求されています。今更リフレッシュしたところで、驚く程に脳が若返ることはないものの、自分より年配の講師が居眠りせず話し続ける姿に敬意を表し、最後まで目を閉じることはありません。

 とうは言え、右の耳から入った話は脳を経由することなく左の耳から吹き抜けて、幾らか記憶に残りそうな話は、やる気のある経営者が率いる組織は環境ISOを上手に活用しているものの、そうでない経営者の組織は活用していないこと。

従い、それを経営者インタビュで見抜くことが必要とは同感です。また、内外の課題からリスク及び機会を決定しているものの、環境側面や順守義務から特定していない指摘にも同感でしたが、これに頷く翁より怪訝な顔の翁が多いことに審査の未来を心配するリフレッシュコースでありました。


 節分に 鬼も認める 多様性 


by tabigarasu-iso | 2019-02-03 20:54 | ISOマネジメント | Comments(0)

自問自答の審査

 相手を特定しないまま質問を始めたものの、答えを待たずに自分で説明してしまう審査員が居ます。

「こんどの規格要求には、環境保護のコミットメントが追加されました」

 誰に質問したいのか分からない口調に誰もが身構えていましたが、審査員は自ら答えました。

「生物多様性や持続可能な資源の利用など、貴社ではカワセミの立ち寄る池の管理が該当しますね」

 これは、審査ではなく解説に他なりません。それなら、環境コンサルの領域ですから、わざわざ審査員に説明して貰う必要などなく、無言で立ち会うコンサルに失礼です。

 それに気が付いた事務局の方は、審査会場を離れた際、コンサルに言いました。

「自問自答が多いですね。審査とは、こうしたものですか」

「いいえ、説明は必要ですが、答えは審査を受ける側に言って貰うのが基本です」

 自問自答の審査は、審査を受ける側に何の益もなく時間の無駄です。質問した際に答えられない場合、その原因を探る為に、次の質問として教育の仕組みなどに移るのが本来の審査でしょう。


 訊ねては 答える審査で 多忙とか


by tabigarasu-iso | 2019-01-28 09:06 | ISOマネジメント | Comments(0)

審査で恩返し

 コンサルを離れて3年経てば利害関係者ではなくなり、コンサル先の審査も可能になります。但し、コンサル先の組織が審査員として認めてくれたらの話ですが。


これまで、元コンサル先を審査したのは2組織、審査を断られた組織も一つあります。4年以上経過しているとは言え、元コンサル先の仕組みが大きく変わらない限り、優れた点やそうでない点を熟知している元コンサルに審査させるのは、心穏やかではないことでしょう。


仕組みの弱点を指摘して貰い改善するなら、元コンサルに勝る適任者は居ません。審査員として受け入れてくれた組織は、改善する機会に期待したのでしょう。審査を断った組織は、元コンサルに仕組みの改善など期待していないようです。


 近い将来、元コンサル先の審査が予定され、送付された資料を確認しました。丹念に目を通せば、コンサル当時と仕組みは殆ど変わっていません。改善点も同じですから、組織が仕組みの改善を審査に期待するならコンサル的に応え、そうでなければ、懐かしい方々に目の覚めるような審査で恩を返しましょう。


 元コンが 審査で咲かす 恩の花


by tabigarasu-iso | 2019-01-08 10:00 | ISOマネジメント | Comments(0)

内部監査員向けEMS入門

 環境マネジメントシステム(EMS)の内部監査員養成研修で必須なのは、内部監査手順の習得に加え、環境ISO規格の要求事項やEMS導入に関する知識です。


 EMSを十分に理解して貰うには少なくとも1日、それに本来の内部監査手順の習得に1日、のべ2日の研修が必要なところ、予算の都合で1日の内部監査員養成研修も止むを得ません。


そこで、内部監査員養成研修のイントロで展開するのは、内部監査員向けEMS入門1時間セミナーです。何を管理するのがEMSか、管理対象が決定したなら、どの様に運用管理するのか、その要点を紹介しましょう。


EMSの管理対象は、環境影響の原因である電気の使用や廃棄物の発生と言った環境側面です。この中から重点管理するものを決め、改善するもの、現状維持するもの、予防管理するもの、要望伝達するもの、何れかに決定。


勿論、法規制は守らなければなりません。また、組織を存続させる目的から乖離させる脅威や機会のリスクも決定し、これらを目標に組み込むか、日常管理することがEMSです。


こうしてEMSの流れを把握し、環境ISO要求事項や自社のシステム文書を理解した上で、監査する相手のEMSの現状と要求事項とのギャップを探り、優れた点を評価すると共に、引き上げる点を解説する内部監査養成研修に無駄はありません。


EMS 管理するもの 知ってから


by tabigarasu-iso | 2018-12-26 09:50 | ISOマネジメント | Comments(0)

申し送れない事実

 審査員は、次の審査の為に審査先の特徴など審査に有効な情報を申し送ることになっています。中には、部門長の人柄などもコメントする審査員も居て、どうかと思うこともある一方、意見の相違があったことなど、肝心な点を申し送らない場合は。


 そうとは知らない審査員、環境マニュアルの適用範囲で触れていない外部委託業者に関し、運用のところで質問してみます。

「前の審査員から言われ、無理やり追加したものですが、どうしても納得できず、審査機関の事務局に相談したところ、審査員の判断は間違いとのことでした。その内容が、まだ修正されていないです」


 かような点こそ、審査員は次の審査の為に申し送らなくてはなりません。部門長の人柄など審査員の対応により変わるものですから、参考にならない。それより、指摘はしたものの、審査先で納得して貰えないなら、そのまま判定委員会に上げて判定した貰うのが良く、審査機関の事務局が審査員の審査結果に口出しするのは如何なものでしょう。


 もしも自分がその審査員であったなら、何を根拠に審査結果に口出すのか、確認した上で納得出来なければ、判定委員会に委ねることを提案します。それが審査機関のルールですから、事務局も否とは言わないでしょう。ただ、指摘が正しくなくてはなりません。間違った指摘なら、事務局の介入は勇み足ですが仕方のないことです。


 筑波山 今やカエルは 土の中



by tabigarasu-iso | 2018-12-12 07:00 | ISOマネジメント | Comments(0)