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白髪の旅ガラス

カテゴリ:随筆( 2693 )

そりゃそうだ

 誰にでも口癖はありますが、何度も聞いて不愉快になるものと笑えるものがあり、前者は出来る事なら耳にしたくないものです。

 例えば、「ふう」と何事につけても力なく溜息を吐く人の口癖は、それほど嫌なら人前に姿を現さない方が良いと教えてあげたい。まとまる商談も、気の抜けた話方では破談するに間違いありません。

 一方、同じ口癖でも笑えるのは、それまでの自論を簡単に取り下げて相手の言うことに賛同してしまう言葉「そりゃそうだ」があります。

「そんな想像ばかりで物を考えるのは小説家に任せ、事実を確かめてから迷うなり、行動したらどうかな」

「そりゃそうだ」

 かように考えを簡単に変えられるものなら、悩むことは何もありませんが、そりゃそうだと言って暫くすると、別の件で同じような不安な気持になるようです。

「あなたの言う通り可能性は幾つもあるから、その何れか相手に確認してみたら」

「そりゃそうだ」


 何の日か 想い出す間は 君が居て


by tabigarasu-iso | 2019-01-19 13:30 | 随筆 | Comments(0)

トイレを使い分ける猫

 三匹の子猫が滞在していた時のこと、トイレが一つでは使い勝手が悪いだろうと二つトイレを用意しました。それが一匹になってもそのままですから、人のトイレの横に二つの猫用のトイレが並ぶ変わった個室になっています。

同じ構造で同じ紙砂を敷いたものですから、どちらで用を足しても構いません。けれど、良くしたもので、大と小のトイレを使い分け、大のトイレで小を排出することは滅多にはないのです。

ところが、猫にも気分転換したい時期があるのでしょう。ある日を境にして、大と小のトイレを入れ替える。

「おや、今日はそちらかね」

「・・・」

 人が用を足していても、平然と用足しに入る猫に聞いてみれば返事はありません。さっさと用を足し、いつもなら掛ける紙砂も掛けず、後は頼んだよと背中で言い遺して、大のトイレから出て行きました。


トイレから 出た後脚を 洗う猫


by tabigarasu-iso | 2019-01-18 09:30 | 随筆 | Comments(0)

北風に起こされ