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白髪の旅ガラス

2018年 11月 10日 ( 1 )

故郷の話をしよう

 あなたの故郷は、浅間山の煙が南に見える山間部にあります。海から遠く、新潟の浜辺まで車を飛ばして2時間余り、海の水が塩辛いことなど知らずに育ちました。


貧しい土地で暮らすには山林を活用する他に術はなく、燃料が薪や木炭の時代には山の恵みで暮らし、やがて首都圏に供給する高原野菜の生産が主役になり、今でもその座は安泰です。


農家で生まれ育っても、跡を継ぐのは長男ですから、次男や三男は村を出て暮らすのが定め。それでも、生まれ故郷の水を忘れることは出来ません。両親が健在の時は勿論、その後も見慣れた山を観ながら帰郷することの喜びは変わらない。


あなたの子供は、浅間山が頻繁に爆発したことなど知らないことでしょう。たまの帰郷もいつしか頻度が減り、今暮らしている場所が故郷と思えるようになっても、あなたには親の生まれ育った故郷を忘れないで欲しいものです。


冬近し 薪割る音の 走る谷



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by tabigarasu-iso | 2018-11-10 08:30 | 随筆 | Comments(0)