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白髪の旅ガラス

2014年 09月 28日 ( 1 )

無理を承知で

 土産に貰った広島の紅葉饅頭、当然のことながら人は中味に興味を持つ。だが、我が家のチビトラは容器に興味を示す。初めは饅頭を狙っていたように見えたものの、それは猫の本性を知らない誤解であった。

 饅頭の入った箱を開けると、彼はその上に載っただけで食べようとはしない。自分の縄張りを誇示し、饅頭が邪魔で押しのけようとしている。それと知った娘が饅頭を取り除けば、小さな空間に座り直して尾を巻いた。

 ところが、それだけでは満足できないようである。チビトラは、無理を承知で小さなスペースに身体を伏せた。箱の中で眠りたいらしいが、身体の大半がはみ出てしまう。それでも、小さな容器を占拠した気分だけは味わっているらしい。

 チビトラは、目を閉じて寝た振りに入る。随分と窮屈な姿勢だが、いつまでそうしているつもりだろう。秋の夜長、こちらも暇に任せ、小さな縄張りに飽きて身体を起こす瞬間を待つことにした。

 紅葉の 山に舞い散る 火山灰
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by tabigarasu-iso | 2014-09-28 09:00 | 随筆 | Comments(0)