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白髪の旅ガラス

2014年 06月 22日 ( 1 )

経年変化

 永遠に変化しないもの、この世には少ないものです。その稀な例に金がありますが、量も僅かなものですから、量も多く酸化し易い鉄に比べて値段が張るのでしょう。

 和室には、障子や襖それに畳が不可欠です。これらの材質は紙や藁ですから、金のように変化しない訳には行きません。また、雨や湿気に曝されて、劣化していくのは仕方のないことです。

 真新しい襖に胸を踊らせてから二十数年、糊の跡が表面に浮き出て格子の模様となりました。その裏を見れば、裏紙の落ち葉の如く剥がれ落ちているのを認め、漸く張り替えを決意したのです。

 専門業者が早朝に引き取り、その日の内に張り替えの済んだ襖が戻る。それは、出て行った時とは別物になりました。裏紙を確かめてみれば、崩れ落ちる心配はなさそうです。こうして、綺麗に生まれ変わった襖の前で正座すれば、経年変化のことなど忘れてしまう。人とは、そんな動物のようです。

 もう夏と 暦に言われ 梅落ちる
by tabigarasu-iso | 2014-06-22 00:00 | 随筆 | Comments(0)