人気ブログランキング |

ブログトップ

白髪の旅ガラス

2014年 06月 04日 ( 1 )

孤独な子猫

 遊び相手の居ない子猫は、何処となく淋しそうです。御飯を食べ終え、誰か暇な相手は居ないか探し回り、机の前に座ったまま、起きているのか寝ているのか、判別の付かない翁を見付け、その足元に身体を摺り寄せて誘いました。

 子猫の見越した通り翁は暇で、自分の背中を撫でてくれます。仰向けになると腹まで摩ってくれるものですから、余りにも気持ちが良く思い切り足を延ばして一本の棒の様になりました。

 翁は更に圧力を掛けて摩り、このままですと平たくなってしまいそうです。機会を見て子猫は丸くなり、摩りは良いから何かで遊んでくれるよう、鼠の人形に紐を付けた遊び道具を探して翁の前に置きました。

「すまないね。もう少しで手が空くから、それまで一人で遊びなさい」
 そう言って、翁は慣れないパソコンのボタンに指先を置いて行きます。もう少しと言った翁の言葉を信じて、子猫は暫く足元で待っていました。が、諦めて専用の椅子の上に座り、これからの予定を考える孤独な子猫です。

 人の世の 忙しきこと 哀れなり
d0052263_16465663.jpg

by tabigarasu-iso | 2014-06-04 00:00 | 小説 | Comments(0)