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白髪の旅ガラス

2013年 12月 30日 ( 1 )

馬橇

 雪の降る土地で暮らしている時には、雪が降るとまずは近場の雪掻きをして、車のタイヤにチェーンを着け、坂道は滑らないように注意し、長靴に雪が入らないよう気を配り、早く雪の降らない春が来れば良いと願っていたものです。

 ところが人とは勝手なもので、その土地を離れてみれば、雪の降る季節が懐かしく想い出されてなりません。大雪の降った翌朝、そこには無音の世界がありました。当然のことながら学校は休みになり、子供達は何をして遊ぼうか胸が高鳴ったものです。

 大人達は、雪掻きを終え暫くは囲炉裏に手をかざしていますが、いつまでもそうしてはいられません。小屋から馬を出し、何時もの荷車に替えて橇を着けました。それで、山から炭俵でも運ぶのでしょう。

 途中まで橇に載せて貰った記憶が蘇ります。雪の上を歩く馬は、ひずめ音が全くしません。それに、雪の上を滑る橇も荷車のような無骨な音はなく、天上を走る思いがしたものです。

 蛇よりも 想い出深い 馬が来て
by tabigarasu-iso | 2013-12-30 00:00 | 随筆 | Comments(0)