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白髪の旅ガラス

2008年 01月 22日 ( 1 )

誤診

「いやぁ、誤診でした」
 潔く診断の間違いを認めるのは良いけれど、メスを入れられた当人は堪らない。麻酔が切れて痛みが走り、夜になっても寝るに寝られず、痛みと寝不足の二重苦が、早く去ってくれないかと願うばかりである。

「どの位の傷か、見てくれないか」
 背中に手術を受けた本人は、自分で傷の大きさが判らないから、見舞いに来てくれた身内に聞いた。丁度その時、看護士が手術後の確認に来たものだから、遠慮なしに覗いて見れば、肩甲骨に沿って七寸余りのガーゼに滲みた血液が痛々しい。

「痛い筈だよ、これ位の切り傷だから」
 両手でその大きさを教えてあげれば、それで本人も痛みの訳を納得したようで、安心したのであろうか、幾らか表情が明るくなった。

 時には、事実を教えない方が良い結果を生む場合もある。けれど、知らないばかりに不安が増して快復が遅れる場合もあり、人を見て処置の結果を適切に説明する必要があろう。これは、組織の診断にも言えることだから、内部監査員や審査員も誤診を避けることはもとより、診断結果を相手に判り易く説明することを忘れてはいけない。
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                風になる 親の姿を 追い掛けて
by tabigarasu-iso | 2008-01-22 00:14 | 随筆 | Comments(0)