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白髪の旅ガラス

駅前開発

 誰も、事態を悪くすることを狙って開発する訳ではなかろうが、開発した結果が周辺の環境に与える影響を良く考えてからでないと、発展どころか衰退の道を辿ることになる。それが証拠に、捌き切れないほどの人が移動する都会の駅前を真似して、地方の駅前に何処でもある大型店を並べているが、客足は少なく落ち着きもない駅前通りに変わり果てた所が多い。

 地方には、都会には無い良さがある。その良さは、地方独自のものだから、それを大切にしなければ、地元の人が寄り付く筈がない。その中には、都会に憧れる若者を狙った店があっても良いが、何処も高齢化が進む世の中で、地方の味を出した店でなければ、それを求める高齢者層には、受け入れられないであろう。

 駅前の広場には一面の芝生が広がり、噴水が踊る様をベンチに座った老若男女が眺め、子供達の歓声が聞こえる。広場の片隅には、名物の饅頭を焼く匂いが漂い、つい一串買ってしまう。我が物顔に駅前を占拠していたタクシーやバスは、地下に潜って出番を待つから、排気ガスとは無縁の空間に、都会では遠慮していた深呼吸をしてみる。

 駅前の価値とは、土地の値段ではなく、人の集まる価値であろう。汽車から降りた人を留め、話し相手を求める人を集める、憩いの広場を駅前に作ること、それが駅前開発ではなかろうか。商業優先も結構だが、人が集まらないことには商いも旨く行かない。そろそろ、開発の考え方を改める時期ではなかろうか。
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旅先で 都内と同じ 飯を喰い
by tabigarasu-iso | 2009-04-29 22:24 | 随筆 | Comments(0)