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白髪の旅ガラス

君に罪は無い

 携帯パソコンを内臓電池で駆動すれば、二時間余り動いてくれる筈です。けれど、約束とは異なり早過ぎる電池の消耗に恐れをなして、省エネモードの設定に変え、帰路の車中で試してみれば、パソコンの画面が暗くて何一つ見えません。

 操作を中断するにも、シャットダウンの場所が判らず、無理やり電源を切る荒業に挑戦しますが、あれこれ迷う間に睡魔が襲い、気が付けば見慣れない風景が車窓に映ります。どうやら、下車駅はとうに過ぎているようで、開いたままのパソコンを閉じて、社内アナウンスに耳を傾けました。

 既に上りの電車は終わっていましたから、乗り過ごした素振りなど見せず、平然と改札を出てタクシーに乗り、上り方面の行き先を告げれば、運転手の顔に笑みが浮かぶのが判ります。
「お客さん、近くに行ったら、道を教えて貰えますか?」
 軽く頷いてから携帯電話を取り出し、家人に見知らぬ駅に降りたと告げれば、今度は運転手が頷くのが判りました。

 空いた道を心地よく飛ばす車内で、料金メーターが喜んで回るのを見ながら、無駄な経費が発生した理由を考えてみれば、飲み過ぎを棚に上げて、パソコンの暗い画面の所為にするしかないようです。そこで、帰宅してパソコンを開き冷静に操作してみれば、画面の輝度設定を暗くしていたことが判り、罪の無いパソコンに深く頭を下げました。
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操作ミス 誰の所為でも ありゃしない
by tabigarasu-iso | 2009-04-07 19:19 | 随筆 | Comments(0)