2009年 04月 05日
一升
ところが、登場したのは一升瓶であった。三人で軽く飲むには多過ぎる。
「大丈夫、ボトルキープできますから」
覚えたばかりの日本語に説得されて、それならと覚悟を決めた。
同じ一升瓶でも、日本酒ならアルコール度も軽く、互いに三度もお替りすれば空になる。だが、焼酎を湯で割る二人とオンザロックを楽しむ一人では、なかなか埒が明かない。ただ、飲み物の切れる心配をすることもなく、宴会は続く。
やがて、終電が迫る時間になる。いつしか、一升瓶には一合位の焼酎を残すばかりになっていた。良く飲んだものだと、他人事のように呆れ、急いで店を出れば、もたつく足取りに、飲み過ぎを知る。