2007年 10月 18日
フリーパス
けれど、地下鉄に乗り換えるには、改札を出た記録が必要である。大丈夫な訳がないであろうと思いつつ、日比谷線の改札にスイカを置けば、改札を出た記録が無いから、駅員の居る改札に回れと機械に指示された。
怒る気力も失せて、指示された改札に迂回すれば、やや疲れ気味の駅員が、何も聞かずにスイカを手に取り、出札記録を入れてくれる。きっと、後から来る乗客も、同じ手続きになるであろうと、立ち止って様子を見れば、次から次へと自分と同じパターンが繰り返された。
その都度、どんな表情で駅員に向かうか窺えば、誰一人怒ることもなく、それがいつもの手続きであるかのように、平然としているから面白い。日頃、自動改札に触れることも無く、機械的に通過することに慣れた感情の喪失であろうか。思えば、ベテランの駅員が打ち鳴らし続けていた、切符に鋏を入れる軽快な音が懐かしい。
機械慣れ 怒る気持ちも 機会待ち