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白髪の旅ガラス

ISOとビジネスの統合

 ISOマネジメントは、品質、環境、安全などの側面からみたシステム管理ツールとして、国際標準とされたものですが、その利用目的を審査登録のみに留める組織もあり、ISO導入の意義が問われるケースがあります。

 これを本来の目的に戻し、組織のマネジメントが有効な結果を生み、約束事を順守する仕組みが働き、組織の特徴を生かした目標管理とするためには、トップがそのことを認識することが必須ですが、なかなか容易ではありません。

 トップからISOマネジメントに任命された管理責任者および事務局は、ビジネスが継続する観点から、ISOマネジメントの有機的な統合を図る必要性をトップに説明する為に、導入したISOの課題を整理する必要があります。

 課題の整理は、方針およびそれを実現する計画、実施、点検と見直しのPDCAサイクルに沿い、ISO方針の内容にビジネス方針が具体的に反映されているか、計画の内容にビジネス課題が反映されているか、実施の実態がビジネス活動と連動しているか、点検の項目、頻度がビジネスと同期しているか、見直しの項目、頻度、責任者とビジネスが整合しているか、これらを具体的にまとめ、ビジネスのレベルにISOを引き上げるか、ISOのレベルにビジネスを引き上げるか、何れかの案を整理します。以降、これを具体的に展開してみましょう。

【方針の見直し】
 ISOの方針は、公開されることを前提に作成されていますが、ビジネスの方針は、公開されることもなく、作成されていないケースもあります。ISOに倣い、利害関係者が読み、組織の特徴が判り、何を目標にするのか、トップの意志を反映させ、誰からも経営の方向性が判る、ビジネス方針とする必要がありましょう。
 また、ビジネス方針は具体的ながら、ISO方針は美辞麗句が並ぶばかりで、何を責任持って行うのか判明しないものもあり、この場合は前者を倣う必要があります。

【トップによるマネジメント見直しの見直し】
 ビジネスのトップによるマネジメントの見直しは、多くの組織で四半期毎に実施されています。ISOでは年度末に一度実施される場合が多く、ビジネスの頻度に整合する必要がありましょう。但し、全ての項目を毎回見直す必要はなく、管理実績や目標の達成度が主になり、年度末には全ての項目に亘ります。ISO導入から三年も経てば、こうした展開にも慣れるでしょう。

【計画の見直し】
 ビジネスで年間計画や中期計画を持たない部署はありません。売上目標、受注目標、開発目標、改善目標など、目標数値や期限がビジネスでは明確になっていますが、ISOでは目標を持たない部署もあります。目標の無いところに責任は無く、責任の無いところに権利がありませんから、給料も頂けません。こうした部署には、ビジネスの課題から入り、それを実現するための環境、品質、安全の側面へと分解していきます。その中から優先管理するもの、目標管理するものを設定すれば、目標の無い部署は皆無になるでしょう。

【実施の見直し】
 優先管理するものや目標が明確になれば、それを実現する運用手順や計画が定まります。ISOでは運用手順書の整備があり、ビジネスでは慣習で行動する場合が多く、人によるバラツキが生じ易くなりますので、ISOに歩み寄ると良いでしょう。
 効果を上げるための教育は重要です。ビジネスでは仕事を通じた教育が主であり、管理効果を上げるためには、ISOの教育計画に準じてビジネスの教育を展開すると良いでしょう。
 ISO教育の課題は、環境、品質、安全などの各種マネジメントの導入により、教育の種類が増えていますので、多くの人を対象に効率良く教育を行う必要があり、ISO教育にeラーニングを活用すると良いでしょう。

【点検の見直し】
 ISOでは目標の点検頻度が半年に一度のケースもあります。この頻度でマネジメントが可能なら問題はありませんが、半期で問題が発見された場合、是正確認が一年後になりますから、ビジネスの点検頻度に倣う必要がありましょう。
 ISOでは不適合の発見は多くありません。発生がゼロではないでしょうから、問題視していないからでしょう。ビジネスでは、反省することばかり。ビジネスの不適合処理をISOは倣う必要があります。
 但し、不適合の発見から、応急処置、原因究明、是正策検討、是正処置実施それに処置の効果確認までの手順を明確にしたISOの手順は有効であり、ビジネスが学ぶ点です。

 かように、ISOとビジネスの有機的な統合の事例を述べましたが、一例に過ぎません。詳細説明は、別の機会に譲りましょう。


十年の 節目機会に 本音言い
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by tabigarasu-iso | 2007-08-02 17:18 | ISOマネジメント | Comments(0)