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白髪の旅ガラス

言葉の旅

 バルブの産地として有名な彦根、国宝の城が見下ろす城下町を出たのは、午後四時少し前のことであった。いつもと町の風景が違って見えたのは、訪れた時間帯の差であろうか。それとも、今回の訪問がコンサルではなく講師であったことかも知れない。両者とも同じ人物だから、差の出しようもないが、役務提供のコンサルと有り難い話が期待できる講師とでは、相手に与える重みが異なるようである。

 会場を出たのはコンサル時より早い時刻であったが、南彦根駅で在来線を待つこと三十分余り、米原駅では待つこともなくこだまに乗り換え、京都駅でも十数分待つだけでのぞみに乗り換えた。岡山駅についたのが十八時であったから、二時間余りの移動時間、同じ時間を掛けたなら、倍近い距離の東京駅に着いている頃かも知れない。

 東京中心が良いとは思わないが、東京から離れるのに比例し、移動の手段が遅くなるのを実感した。それが幸いし、都心の悪影響を受けず、地方の貴重な文化を継承することが可能になっているのだろう。その例として、彦根では京都の優しい言葉に親しみ、岡山ではのんびりとした素朴な言葉に心を許すことができる。

 こうして、講師から再びコンサルに変身するカラスは、群馬北部の山村育ち。「ひ」の発音が出来ず「し」と話し、「だんべえ」を語尾に、女性が「俺」と口にしても違和感がない。かような男言葉が中心の文化を身に付けているから、彦根や岡山で耳にする言葉は優しく、皆々善人に思えてくるから、心休まる言葉の旅となった。

                         水稲に 先に失礼 麦畑 
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by tabigarasu-iso | 2007-06-17 15:17 | 随筆 | Comments(0)