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白髪の旅ガラス

 太陽を浴びる時間が少ないと、野菜や果物の旨味や甘味が不足する。けれど、梅雨が長引き夏らしくなると形ばかり一人前になった野菜や果物は、否応なしに店先に並ぶ。

とは言え、今年の梨は形も味も出来が良い。甘味の欠けた梨は、幾ら冷蔵庫で寝かせても甘味の増すことはなく、気持だけを頂くことになる。ここに来て、太陽の光を沢山詰め込んだ梨は、上品な甘味を楽しませてくれる。

生まれ故郷の山村には、李、桃、柿の木はあっても、梨の木は小さな実を付ける山梨くらいしかない。それも芯ばかりで果肉は少なく、酸っぱくて食い物には向かない代物である。

千葉の弟から送って貰った梨は大きく、果肉が厚く、一晩冷蔵庫で寝かせて頬張れば、弟の気持も重なり、これほど美味い梨は久し振りのこと。また来年も、太陽と弟に期待したいものである。


送り火に 乗り遅れまい 父や母

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by tabigarasu-iso | 2019-08-17 10:27 | 随筆 | Comments(0)