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白髪の旅ガラス

ドーパミンの過ぎたるは

 度が過ぎることは、足りないのと同じくらい良くないことを、承知しながら何度経験したことでしょう。それでも、思ったより短い人生では、遣り残すことの後悔より、遣り過ぎた反省で幕を閉じたいものです。

 それを助けてくれる体内の味方は、ドーパミンと言われるもの。雨が止み、静かな早朝に目が覚め、ホテル予約のキャンセルを行い、愛猫のトイレを掃除し、枇杷の木に登って実を採り、隣家の庭まで枝先を伸ばした植木の剪定から、タナゴとハゼの暮らす水槽の水を替えても未だ気が済みません。

「風呂も洗おうか」

「もう止めなさい。ドーパミンが吹き出している」

「そうかも知れん。だが、人生は思ったより短い」

「それはノーベル文学賞を受賞した方の科白でしょう」

「・・・」

 相方の一言で、暴走気味の身体に漸くブレーキが効いたようです。汗をシャワーで流し、冷たい麦酒を胃袋にあげて、銚子の硬い岩盤の上で魚の冷凍保管が何故栄えているのか、ブラタモリで知り始めた頃には居眠り。すっかり、ドーパミンは引っ込んでしまったようです。


水清く なったところで ハゼの口 世話になります と言ったような


by tabigarasu-iso | 2019-06-09 12:27 | 随筆 | Comments(0)