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白髪の旅ガラス

経営責任者向け大人の審査

 環境ISOの要求事項の中に経営責任者の役割があります。従い、審査員は経営責任者の方にその役割を理解し実行しているか検証しなければなりません。

しかしながら、審査すると言う上から目線で臨んでは相手に失礼になります。審査機関に依頼されて審査を行う立場の者が、組織の経営責任者を審査する場合、経営責任者に対する規格の要求事項を頭に置きながら、そのまま質問してはいけません。

「どんな内外の課題を決定していますか?」

「それは何のことでしょう」

 こうした規格要求事項をそのまま質問しては、経営責任者の方は余りにも稚拙な質問に呆れることでしょう。

 それより、審査を利用して頂く御礼から始め、経営の状況を伺う中で、規格要求事項を満たしているか、妥当性の度合いを確認する大人の審査が必要です。

「今回も弊社の審査を御利用くださり有難うございます。ところで、米中の貿易摩擦が過熱していますが、経営への影響は如何でしょう」

「困った状況です。弊社にも少なからず影響が出始めていますから、成り行きに注目しながら、海外での生産体制を見直さなければなりません」

「さようですか。そうした課題、環境ISOでも取り上げていらっしゃる」

「勿論です。重要な課題として経営会議で取り上げ、材料や燃料の値上げを環境ISOの課題に決めて、営業部門で目標展開していますから、審査で進捗を確認してください」

 

 こうした大人の審査が求められる中、審査リーダーの横で黙って聞いていた審査メンバーに質問が回りました。

「何か質問がありますか」

「はい。それでは、壁に掲げてある歩きスマホを禁止するポスターの意味を教えて貰えますか」

環境ISOの要求事項とは関係のない安全ポスターの質問ですが、その中に経営責任者のサインがあり、他にも複数のサインを見付け、どう答えてくださるのか、何を狙っているのか確認する質問です。

「責任者の自分がサインをすれば、意図を汲んだ人はサインしてくれるでしょう」

「なるほど。リーダーの意図を汲ませることが狙いですね」

「その通りです」

「ありがとうございました。質問は以上です」

 こうして、経営責任者の審査は笑顔の中で終わりました。


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by tabigarasu-iso | 2019-05-20 07:39 | ISOマネジメント | Comments(0)