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白髪の旅ガラス

君の名は

 顔は、一度会えば覚えるものですが、名は、覚えるのが容易ではありません。特徴のある、接待さん、御手洗さんといった名であれば、すぐに覚えもしましょうが、佐藤さん、鈴木さんといった数多くある名の場合、相手の特徴を見つけて記憶するのが難しい。しかしながら、コンサル稼業、名を覚えないことには、具合の悪いことがあります。
  
「右から三番目の方、お仕事の流れを、初めての人にも判るように、説明して貰えますか」
 これも、最初なら許されますが、二度目にお会いした時には、同じことは許されません。
「廣岡さん、前回の資料と今回の資料の相違点を、簡単に説明して貰えますか」
 二度目に自分の名を呼ばれて、親近感を覚えない人は居ないでしょう。それが、紹介された直後であれば尚更です。

 名簿や名刺交換があれば、それを見ながら名を呼べますが、十数名の方に次々と名を告げられたら、記憶術の心得がない者には、他の手段をとるしかありません。
「恐れ入ります。白板に皆さんの名を書きますので、順番におっしゃってください」
 こうしておけば、初めてお会いした方であっても、名を呼んで会話が進行します。

「それでは、増田さんに伺います。大きな地震が発生し、排水処理施設から未処理の汚水が流出した場合、どのような結果が予測されますか」
「・・・・・・」
突然の質問に、頭の中が白くなり、言葉にならないようです。そこで、隣に質問を振りました。
「そもそも、その汚水を発生させる作業の西元さんに伺います。その汚水を減らすことは、技術的に可能でしょうか」

 こうして、相手の名を呼ぶことで、コンサルと現場の方のやりとりは、順調に進むようになります。けれど、発言の少ない方には、「君の名は」と呼ぶことが間々あり、お許しを乞うしかありません。

水仙の 花を跨いで 犬と行く
by tabigarasu-iso | 2006-02-19 23:22 | コンサルサービス | Comments(0)