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白髪の旅ガラス

ISO14001審査の課題

 ISO14001:2004規格からISO14001:2015規格へ移行した組織に対して実施された審査の解決しなければならない課題について、審査員、審査機関それに審査を受けた組織に向け提案します。


 課題1)組織の目的に関連する外部及び内部の課題の決定

 組織の目的を明らかにしていない組織が多数あります。目的を達成する観点から外部や内部の課題が決定される筈ですが、目的が不明のまま外部及び内部の課題が決定されている組織の何と多いことでしょう。

これを審査員が見逃し、審査機関でも見逃す結果、組織の目的の達成にISO14001が役に立たないと言う誤解を生じます。

組織は、自らが存続する目的を明らかにしましょう。それは、社員の為にも、顧客の為にも有効なメッセージになる筈です。

審査員は、組織の目的が不明な場合、組織と議論すること、改善の機会として取り上げ、議論を次の審査員へ引き続がなければなりません。

審査機関は、審査員の報告書から組織の目的が明確か確認し、不明確であれば、次の審査で確認する指示を出す必要があります。


 課題2)環境マネジメントシステムの適用範囲の決定

 未だ、組織のサイト内の環境側面の管理だけで良しとする組織が多数あります。環境マネジメントシステムは、組織が管理し影響を及ぼせる範囲の環境側面を管理するものですが、これを文書化し利害関係者が入手できるようにする要求事項が追加されました。

 組織は、自らが管理できる活動、製品、サービスの範囲を文書化するだけでなく、影響を及ぼせる範囲として、燃料運搬委託、材料運搬委託、製品運搬委託、協力会社、廃棄物処理委託先などを文書化することが必要です。文書化しない場合、何故文書化しないのか、第三者の審査員に説明しなければなりません。

 審査員は、文書化したEMSの適用範囲に協力会社や廃物処理委託先を考慮したのか確認する必要があります。協力会社や廃棄物処理委託先が適用範囲に文書化されていない場合、考慮した結果なのか否か、確認しなければなりません。

審査機関は、審査員の報告書からEMSの適用範囲が適切か否か確認し、影響を及ぼせる範囲の確認が不十分であれば、次の審査で確認する指示が必要です。


課題3)環境側面の決定

 環境側面は、環境マネジメントシステムの適用範囲の中で、ライフサイクルの視点を考慮して決めます。しかしながら、適用範囲に含むべき協力会社の活動や廃棄物処理委託に関する環境側面が決定されていない場合があります。

組織は、適用範囲の理解を改めて、影響を及ぼす範囲の活動に関する環境側面を決定しなければなりません。

審査員は、適用範囲に協力会社や廃棄物処理委託先が含まれることを確認した上で、環境側面の決定に不足があれば指摘事項として組織に伝える必要があります。

審査機関は、審査員の報告書、組織から入手した環境側面の決定した資料を確認し、審査員が報告書で触れていなければ、次の審査で検証する指示を出さなければなりません。


この他にも、組織の規格要求事項の理解不足や審査員の検証不足や説明不足、それに審査機関の審査報告書の検証や次の審査への指示不足により、規格要求事項を満たしていない場合があります。しかしながら、環境ISOとは関係ない方には面白くない内容ですから、次の機会に紹介することにしましょう。


晴れ渡る 空を睨んで 猫昼寝

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by tabigarasu-iso | 2018-09-30 09:00 | ISOマネジメント | Comments(0)