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白髪の旅ガラス

金木犀の香り

 いつもより数日遅れて、金木犀の香りが届きました。発生源は、庭の片隅でブロック塀の手前です。


いつもより上品な香りですから、相方に教えてあげました。

「今年は上品な香りだよ」

「あら、本当。雨なのに大変ね」


 確かに、人なら雨読晴耕ですから、敢えて雨の日に花を咲かせようとはしませんが、自然の摂理はそうではないようです。花開く条件さえ揃えば、雨など気にしない。


一緒に散歩に出た虎猫は、そうではありません。金木犀の香りを楽しみながら道草など喰っていましたが、相方の言葉には素直に従います。

「寒いから家に入ろう」

 尻尾を天に向け先頭で家に入る姿は、既に山賊の親分でした。


金木犀 一枝咲いて 吾を呼び

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by tabigarasu-iso | 2018-09-29 16:30 | 随筆 | Comments(0)