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白髪の旅ガラス

名前の多様性に海馬も疲れ

 一度に何人もの珍しい名の方と名刺交換することは、滅多にない貴重な体験ですから、懸命に覚えて呼ぼうとしました。けれど、直ぐ記憶に残る方とそうでない方とで、脳の海馬が混乱します。


 直ぐ記憶に残った方の名は、「興梠(コオロギ)さん」でした。丁度、コオロギの出番を迎えた季節になりましたから、名を呼びたくて仕方ありません。しかしながら、昼間は苦手なコオロギの特性を引き継いだようで、挨拶を終えると顔を見せなくなりました。


 なかなか記憶出来ない方の名は、「樟(くのぎ)」さんです。会う前から漢字は知っていましたが、まさか「くのぎ」とは読めません。名刺交換した後でも、何回か名を呼んで覚えようとしましたが、一夜明ければ記憶は怪しい。


 簡単に覚えられそうで、なかなか覚えられない方の名は、「井下(いげ)」さんです。大人しい方で会話する機会を自ら作らない所為でしょうか、こちらの頭に井下の文字は浮かんでも、呼び方が容易に浮かびません。


 直に覚えた方の名は、「深谷(ふかや)さん」です。地名が傍にある所為で、名前を聞いた時から直に覚え、会ってからは連呼しながら、地元に戻れたような気持になれました。


 名前を呼んで質問することが自分のポリシーです。覚え難い名であっても、何とか克服しなければなりません。それでも視力の衰え、記憶力の衰えは何とも抵抗し難く、出来ましたら大きな名札に大きなフリガナを期待したいものです。


草むらの コオロギ鳴いて 夏は去り

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by tabigarasu-iso | 2018-09-05 10:00 | 随筆 | Comments(0)