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白髪の旅ガラス

トイレ革命

 中国には、古い集落や住宅街で自宅にトイレがなく、公衆トイレが使われている場合が多いと言う。その公衆トイレには間仕切りがなく、用を足す際に隣の人と顔を合わせるニーハオトイレと呼ばれているそうである。


こうした公衆トイレには悪臭や汚れが付きものであり、国家をあげての美化運動、トイレ革命が進められているそうだ。かつて、日本の田舎でも似たような状況があったから、覚えのある人間の役割として紹介して置きたい。


 一つ異なるのは、古い集落であっても自宅に厠があり、自分の田畑の農作物に与える貴重な肥料であったから、それを他の家に与える公衆トイレなどあり得なかった。他所の家で用を足して帰宅しようものなら、勿体ないことをしたと叱られたそうである。


 ニーハオトイレは、公衆ではないが自家用にはあった。大きな樽を土中に埋め込み、その上に板を二枚渡したトイレである。汲み取り易さを優先した構造だけに、悪臭や見た目など問題にしていない。食べる時間が同じなら、排泄する時間も重なり、二枚板の上で会話しながら排泄した記憶は消えないそうだ。


それから半世紀余り、日本では腰を上げれば自動で洗浄してくれるトイレまで普及し、中国のトイレ革命を想像もできない時代になったが、自らが排泄した物の行く先を忘れないようにしたいものである。


清潔な トイレで判る 品格か



by tabigarasu-iso | 2017-11-29 10:00 | 随筆 | Comments(0)