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白髪の旅ガラス

カッコウはカラスと違う

 三度目のこと、朝からカッコウの鳴き声が近場で聞こえる。卵を産み落とす高い樹木が消え失せた住宅街、何処に住むつもりであろうか。電線に停まって仲間を呼んだところで、安心できる梢はない。


 今日は燃えるゴミの日、外に出てみれば小雨が降っている。カラスではあるまいし、家庭から出た生ゴミを漁るつもりではなかろう。いつまでも雨に濡れていたら、カッコウとて身体に悪い。


 間もなく、カッコウの鳴き声は消えた。電線から舞い下りたカラスは、網の下にある生ゴミを引き出し、路上に散らかしながら喰っている。そこにカッコウが舞い下りカラスと同じことをしたら、奥深い鳴き声の主の名が廃ることだろう。


 幸い、そんなことにはならなかったけれど、将来はあるかも知れない。カラスの知恵を借り、生ゴミを漁るカッコウの姿など見たくはないが、餌がなければ、それもあり得る。


鍬振りに カッコカッコと リズム取り

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by tabigarasu-iso | 2017-07-01 10:46 | 随筆 | Comments(0)