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白髪の旅ガラス

まぼろし

 幻とは、実在しないものの姿が実在するように見えるものです。が、「まぼろし」は、広島の銘酒の一つで実在するものですから、謂れを祝い酒に確かめてみました。


 日本酒でありながらブドウから醸造したワインの如く西洋の香りが鼻孔を突き、舌の上で甘味を訴えながら、喉元では日本酒の辛さを忘れない。つまり、飲み口が大変良い酒ですから、うっかり飲み過ぎ、すっかり酔ってしまう。


 さて、アルコール度数はどの位か確かめてみれば、並より幾らか高い16度ですから、酔いの回りが早い理由が分かります。杯を傾ける速度、いつもより落さなければ、直ぐに酔ってしまう。


 ところで、「まぼろし」と実在の酒に名付けた謂れは何でしょう。これまで実在しなかった酒が酵母の研究で実在するようになり、幻では飲みようがありませんから、まぼろしと改名したものではないでしょうか。


赤い箱 まぼろし包む マントかな

まぼろし_d0052263_07015656.jpg


by tabigarasu-iso | 2017-03-13 10:00 | 随筆 | Comments(0)