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白髪の旅ガラス

本業の環境側面

 環境ISOで管理するもの、それは環境側面です。環境ISOで狙うのは、環境パフォーマンスの向上、順守義務を満たすこと、それに環境目標の達成です。更に、組織の目的に適切な環境方針の策定を要求し、環境方針と環境目標の整合も求めています。


 組織の目的は、事業を継続することです。事業を継続するには、利益を上げ続ける必要があります。利益は、売上から経費や税金を引いて上げます。売上を増やし、経費が同じなら利益は増えますが、売上が減って経費が上がれば赤字になるかも知れません。


 赤字が一過性であれば、資金の調達も可能ですが、毎年赤字では、大手企業は政府が助けてくれるものの、そうでない組織は倒産します。その結果、従業員は失業し、使わなくなった設備は錆び、大量の廃棄物が発生し、社会的な責任も果たせません。


 そうならないよう、環境ISOで管理する環境側面は適切に決定されているか見直すことが必要です。今更、環境側面の見直しなんか必要ないと考えている組織こそ、改めて環境側面の決定内容に関し、本業の課題が反映しているか確認してみましょう。


営業部門では、電気の使用、用紙の使用、廃棄物の発生、営業車燃料の使用、排気ガスの発生など、営業の手段となるものだけを環境側面とし、環境目標を燃料の削減とする場合があります。これでは、営業部門の目標を達成することはできません。売上目標を達成し、利益を継続的に上げる本業の目標を達成するには、本業の課題に関連する環境側面の決定が必要です。


営業部門の本業の環境側面の決定は、品質面、価格面、安全面、環境面で他社の製品と比較して優れている面は何か決定することから始めます。例えば、消費電力が従来製品に比べ10%少なく、寿命は2倍、価格は10%高い、取り扱い時に破壊する恐れなく、誰でも取り扱えるものがあれば、消費電力、寿命を次のように優れた環境側面、環境影響として決定すれば良いのです。

・省エネ10%製品の提案(環境側面)➡資源枯渇抑制(環境影響)

・長寿命2倍製品の提案(環境側面)➡廃棄物埋立場逼迫抑制(環境影響)


但し、省エネで長寿命の製品を提案し受注に結び付けるには、その製品を必要とする市場開発が必要です。それが出来なければ、不良在庫が山となり、生産に投じた資源、エネルギーの無駄、やがて大量の廃棄物の発生、赤字経営、倒産となりますから、そうならないよう次の様な環境側面と環境影響を想定します。

 ・環境配慮型製品の市場開発により不良在庫の発生抑制(環境側面)➡廃棄物埋立場逼迫抑制(環境影響)


 こうして、本業の課題を環境側面に決定することで(環境に配慮した製品の提案、市場開発による製品普及)、営業部門の売上目標達成、利益確保、組織の継続が可能となります。かように、言うは易し、行うは難しかもしれませんが、そろそろ本業の課題を環境側面に決定する価値はありそうです。


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by tabigarasu-iso | 2017-02-11 11:35 | ISOマネジメント | Comments(0)