2015年 08月 03日
「考慮に入れる」と「考慮する」は大違い
考慮に入れるは、考える必要があり拒否できない意味ですが、考慮するは、考える必要はあるが拒否しても良い、そんな意味の差があります。これを同じ意味に考えてはいけません。
「君の環境改善提案、後期の環境目標を見直す際に考慮に入れる」
「課長、有難うございます」
実際、環境目標の施策として環境改善提案が採用されました。
「あなたの環境改善提案、後期の環境目標を見直す際に考慮するよ」
「課長、有難うございます」
それから一ヶ月後のことでした。
「ところで、何故、私の環境改善提案、採用されなかったのですか」
「一応検討はしてみたが、予算が取れなくてね」
これほど両者の意味に差があるにも拘わらず、それを無視して使われている場合が多くありますから、注意しなければならないでしょう。
油蝉 役目を終えて 蟻の餌
されているように思う。 つまり拒否の意味合いは極めて薄い。
辞書的には、あくまで考え合わせて思い巡らすという意味のみ。
考えたうえで拒否をする、つまり不採用だってありうる。
しかし、考慮に入れるには拒否の意は含まれないんですね。
言い回しが違うだけかと思っていましたが。
日本語では、「考慮する」と「考慮に入れる」は良く似ています。英語表記では、「consider」と「take into account」と明らかに異なり、両者の違いが良く分かります。これが小説なら大した違いではありませんが、規格の世界では、違いを違いとして理解する必要があります。草々