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白髪の旅ガラス

風の見える街

 東北線の久喜駅に初めて降りた。改札を出ると東口と西口の案内があり、どちらにもバスとタクシーの乗り場がある。さて、ホテルまでタクシーに乗るにはどちらが近いか。迷わず、西口を降りてタクシー乗り場に行った。

 判断の早いことは悪くはないが、ホテル名を運転手に告げると反対側だと言う。それでも構わないから、余り差がないことを願いながら行ってくれと頼む。

「暑いですね」
「そうですね。商売にはならないですよ」
「はあ」
「昨年の猛暑日ですがね。エアコンを使えない、窓も開けられないお客さんを載せたことがありまして。いや、その時は参りました。全身汗だらけで運転しましたよ」
「私は、そんな無理は言いません」
「そうですよね」

 そうこうしている間に、タクシーは陸橋を渡り、少し走ったところで右折したところでホテルに着いた。東口を降り、タクシーに乗ったのと大差のないようである。ホテルに入る時、全身を包む涼しい風が霧になって見えたような。

  風見える 疑う人は 久喜に来て
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by tabigarasu-iso | 2015-07-16 07:30 | 随筆 | Comments(0)