2015年 03月 27日
廃炉
ところが、設計図面が残っていない原子炉があるそうですから驚きです。廃炉に向けた解体ロボットは、鉄腕アトムのように自分で見て判断して行動できる知能ロボットではありませんから、原子炉の建設当時の設計図がないとロボットによる解体作業はできません。
ロボットで解体できなければ、人手で作業するほかなく、強い放射線を浴びながらの作業になります。そんな危険な作業、誰が従事するでしょうか。大金を稼ぐことができたとしても、細胞を破壊された身体の未来は暗い。
水蒸気爆発を起こし建物が壊れた原子炉の解体作業は、落下した障害物が周囲にあるから更に困難が予測されます。それでも、放射線を放出し続ける核燃料棒の取り出し完了まで、何としても進めなければなりません。
何とか解体を終えたとしても、大量の放射線廃棄物の処理方法に困る。低レベルの放射性廃棄物に関しては処理後に廃棄処分される予定ですが、高レベルの放射性廃棄物に関してはどこでどういう方法で隔離保管するかは未定です。
その隔離保管期間は、数百年から数万年と長期になる為、未来の地球生命体へ負の遺産を遺すことになりますから、原子力発電所は建設から廃炉までのライフサイクルを考慮した上で、採用の是非を検討しなくてはなりません。