2014年 12月 27日
猫の宅配便
見た目には面白いが、安心して眠れないだろう。そう思って探した訳ではないが、たまたま中身を出して広げて置いた箱に全身が上手く入った。
蓋を閉じ、静かに宛名を書けば何処にでも届けることが出来る。受け取った相手は、箱の中から猫が飛び出すから、目を丸くして驚くことだろう。
「あなた、良く聞いて」
帰宅途中、妻から急な電話を受けた主人は、車を停めて電話に出た。
「どうした。何があった」
「宅急便で猫が届いたの」
「何も驚くことはないじゃないか」
「そうかしら」
「猫の宅配便は誰でも知っているだろう」
「そうね。でも、猫の入った宅配便は」
「嘘だろう」
「そう、嘘よ。でも、写真を見たら信じるかも」