2014年 09月 14日
邪魔する猫
「良く乗るね」
「ニャー」
そう応えたものの、我が家のチビトラは動こうとしない。
新聞を諦め、麦酒を飲むことにした。良く冷えた瓶麦酒の栓を開け、一口飲んだ後でチビトラに勧めた。
「どうだ、一杯やりな」
瓶の口まで顔を近付けたものの、好みではないらしい。
チビトラは、漸く新聞の上から立ち退きカーテンガラス窓の間に陣を構え、じっと外を見守る。このところ、縄張りを荒らす続ける世間知らずの後輩が気になるようだ。
「お前も忙しいな」
内に外に気を揉むチビトラに向かい、同情の声を掛ける。
人の言葉を理解したのか、振り向いて呟いた。
「ニャーニャーン」
そうなんです、と聞こえたが猫の言葉は分からない。