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白髪の旅ガラス

短期決戦

 標準の期間が一年のものを、その半分で仕上げてくれと言われ、否と言えば縁が切れて、諾と答えれば、精が切れる。縁が切れては元も子もないから、通常の歩みを駆け足に変え、自分ばかりでは仕方ないから、仕事相手にも遅れないよう無理を言う。それが初めての仕事であれば、知らない相手は無理を知らない。だからといって、どこまでも、全力疾走は無理なことである。

「今年のロッテ、優勝したのは誉めることのようですよ」
 新しい課題を次々に与えられ、オーバーヒート気味の赤い顔した相手に、脳内の休憩を告げた。タイミング良く出されたビターチョコレートを口にいれ、渋い緑茶で流し込めば、苦を苦に感じさせない、コンサルパターンが脳内に浮かぶ。

「これまでの成果を整理してみましょう」
 プロジェクターに映し出された、パソコンの操作状況を見ながら、修正箇所を皆で納得するまで意見交換する。それが、多少時間が掛かっても、焦ってはいけない。

「そうです、大変良くまとまりましたね。この短い時間で、流石です」
 皆の顔が、満足の色に変わる。それを確認したところで、次のステップに進む。

「この作業の仕上げ、いつまでに可能ですか」
 いつまでにしなさいとは、言いたくても言ってはいけない。担当者の決めた期日を伺うこと、そこが大切である。

「一週間後では如何ですか」
 こうして、自己宣言された仕事は、無理なく進む。

 状況は短期決戦なれども、プラス思考で一歩一歩の成果を誉めて先導し、必ず半歩戻ることも誉めて、そこで仕上げてまた誉める。

 これを、『まつり縫いコンサル』と命名したのは、つい先日のことであった。

 枝の柿 少し残せと 舞いながら 
by tabigarasu-iso | 2005-10-30 00:25 | コンサルサービス | Comments(0)