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白髪の旅ガラス

蘇る小道

 コンサルの戦場で心身共に燃え尽きた後の休日、疲れを癒す温泉に浸かれたら、どれほど心地良いことでしょう。重い鞄を長時間肩に掛けた所為で、反対側の腰の筋肉が痺れ、一日中立ち通しの両足が、偏平足になる鈍い傷み、大きな声で長く話し続けた所為で声が嗄れ、コンサル終了の間際に何も判りませんとでも言われたなら、隠れていた全身の疲れが徒党を組んで現れても不思議ではありません。

 そんな時には、友との散歩が効果的です。この友、生憎と無口ですが、散歩の二文字は良く判り、疲れに全身を覆われた仲間を気遣い、後ろを見ながらゆっくりと縄張りを確認しつつ前進。時々片足を上げ、薄れ掛けた臭いを強化する癖は抜けず、その間隔が狭いだけに、まるで散歩になりませんが。

 ようやく家並みを離れ、広い空き地を突っ切り、車が入れない小道に入ります。家を出発してから既に一時間、直線にすれば半キロにも満たない所。大小の常緑樹が道脇に肩を並べてかぶさり、独りで歩くには少しばかり寂しい葉のトンネルへ辿り着くと、友は振り返り、笑顔を見せました。

 ひんやりと冷たく清々しい空気を吸う度、それと同じ量の疲れが体外へと出て行くのが見えるようです。常緑樹の吐き出す酸素が、疲れた細胞の隅々まで行き渡り、死に掛けた細胞を蘇らせている。それを本能的に知る友、途中の道草はおまけながら、わざわざ今宵、動物を蘇らせる小道を散歩のルートに選んでくれたのでしょう。

誰を待つ 灯り消せない 蓮の花
by tabigarasu-iso | 2005-10-10 23:12 | 問題解決 | Comments(0)