2013年 09月 01日
見違える
「・・・」
髪を茶色に染め、顔は陽に焼け真っ黒な男に声を掛けられ返事になりません。
「もしかしたら、上さん」
「そうですよ、何を言ってるのですか」
半年前とは別人に変身した相手に対して、そう言うのが精一杯でした。
「海ですか」
「ええ、サーフィンを始めましたから」
そう言われて変身の理由を納得しましたが、果たして職場で容認されているのでしょうか。
「上司に注意されませんか」
「大丈夫です」
時代は繰り返すようです。夜は長い髪を揺らして歌い、その髪を翌朝は束ねて仕事する、1970年代の自分を見るようでした。