2013年 08月 31日
ネクタイの出番
そんなネクタイに言わせれば、背広とネクタイは御飯に味噌汁と同じで、どちらか一方だけでは旨くない。背広にノーネクタイが許されるのは刑事くらいで、普通の方は丘に上がったカッパに見えると言いたいでしょう。
かく言う自分の鏡に映ったノーネクタイ姿は、刀を質屋に預けたままの浪人に思えてなりません。どうせ背広を着るなら、ネクタイで首元を締め潔い姿で仕事をしたいものです。
その昔、背広を着始めた頃の自分に上司の方が言いました。
「君、ネクタイはヨダレも拭ける便利なものだよ」
驚く自分に飽きれ、更に教えてくれます。
「カーテンがあるだろう、あれは手を拭くものだよ」
ヨダレを拭けとは言いませんが、背広を着るならどんなに暑くてもネクタイは着ける、さもなければ背広を着ない。そんな選択を、ネクタイは待ち望んでいることでしょう。待ち切れないネクタイは、いつでも利用されるハンカチに転職するかも知れません。
冷え過ぎの 電車に乗れば 思い出す ネクタイ締めた バブルの時代