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白髪の旅ガラス

監査実話

 人とは面白い動物で、それまで居眠りしていた人も実話ですと前置きをすれば眼を覚ますものです。
「その昔、自分が監査を依頼された時の話です」
「話ですか」
「ええ、監査当日に発生したことでした」
「何か問題でも」
「ええ、排水処理場の薬品貯蔵タンクで想定される薬品洩れの緊急事態対応手順を確認している最中のことでした」
「まさか、薬品が洩れたとでも」
「ええ、そのまさかです。それも想定したよりも多い薬品が漏れ出し、雨水溝へ流れ出して白煙を上げました」
「本当ですか」
「実話です」
「で、どうなりましたか」
「緊急事態対応手順に従い、設備管理の担当者は備品のマスクを被り、手にはゴム手袋を着け、傍に置いてあった砂袋を雨水溝に投げ込み、見事、漏れ出した薬品の流れを止めたのです」
「それを眺めていたのですか」
「ええ、作業の邪魔にならない場所まで移動し、手順書を見ながら決められた通りに関係者が動く様子を観察していました」
「それで、監査の評価は」
「慌てず手順通り対応されたことを良い点として評価しました」
「それで終りですか」
「いいえ、漏れた薬品の処理をした後で、原因が配管の腐食であったことを究明し、配管の交換を行ってから、その点検を強化する手順改訂の計画に対して、更に高い評価をしました」
「なるほど。その後、排水処理設備は問題が発生しなかったのですか」
「暫らくして現場を訪問したところ、環境リスクが高い排水処理設備の監査報告を受けた経営者の判断で、排水処理設備そのものがリスクの少ない構造に更新されていました」
「監査とは、そんなに効果があるものですか」
「はい。そう願いたいものです」

 夕闇に ヒグラシ鳴いて 里心
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by tabigarasu-iso | 2013-08-30 00:00 | コンサルサービス | Comments(0)