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白髪の旅ガラス

百年続く

 帰路の電車はゆっくり座って帰りたいものです。追加料金を五百円出せば、特急電車に乗れますから、小銭入れを開いてみました。

 あいにく、そこには四百円しかありません。足りない百円、負けてくれと機械に言っても無駄です。ホームの売店で換金して貰うのは気が引けて、何か買う事にしました。

 懐かしい森永のミルクキャラメルには、百年記念と包装に印刷されています。つい、それに惹かれて買ってみました。いつもなら、それは冷えた麦酒ですが、今宵は甘いキャラメル。

 懐かしい包装紙を開けて口に放り込みます。口の中で広がる懐かしい味と共に、半世紀前の想い出が蘇りました。けれど、調子に乗り決して噛んではいけません。歯痒くても、舌の上で転がしながら舐めるだけです。

 箱の底には歯に詰めた治療材が取れることもあるでしょうとありましたが、そんな注意書きは百年前には必要なかったに違いありません。

 紫陽花に 飴をあげれば 何色に
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by tabigarasu-iso | 2013-06-10 00:00 | 随筆 | Comments(0)