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白髪の旅ガラス

赤穂浪士討ち入り先の適切性

 12月14日を迎え、赤穂浪士の討ち入りがあったことを想い出します。かつては、夜間に討ち入りされた吉良家が悪者で、主君の仇討ちした浅野家が正義と思い込み疑うことはありませんでした。

 かような視点で製作された映画が大半であり、そればかり放映されていましたから、事実はどうであったのか疑うことはなかったのです。大本営の発表を信じて疑わなかった戦時と変わらない感覚だとしたら、何とも危ない。

 何が切っ掛けかは別として、城内で刀を抜いた浅野家の主君は幕府の掟破りですから、それが不服なら処罰した幕府に抗議するのが筋です。それを違えて、吉良家の当主の首を取るとは、お門違いの仇討ちと言えるのではないでしょうか。

 厳罰を下した幕府としては、矛先が自らに向かうことを一番恐れていた筈です。それが、幕府の掟を守った吉良家へ向いたことで、諸藩が互いに潰し合うことを狙った幕府としては、赤穂浪士の討ち入りを賛美したのではないでしょうか。

 爪先の 冷えて痛むも 湯で直る

by tabigarasu-iso | 2012-12-15 08:34 | 随筆 | Comments(0)