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白髪の旅ガラス

トンボの止まり木

 九月も半ばを過ぎ、庭先に朝からトンボの舞う姿があります。そんな季節かと腰に手を当て見惚れていれば、メダカの泳ぐ水槽に舞い降りました。

 どうやら、喉の渇きを潤しているようです。もしかしたら、目の前で産卵するかも知れません。そこで、新聞受けから取り出した朝刊を小脇に抱えたまま、トンボが尾を曲げ水中に入れる瞬間を待ちました。

 その時、こちらに丸い目玉を回したトンボは、ふと笑ったようです。ゆっくり翅を振ると、再び水槽の上空に舞い上がりました。そこで静止したまま、奇妙な人間を観察しているようです。

 今度は目玉を上下に動かし、安全を確認したのか、意外なことに左の肩へ舞い降りました。そこまで信頼されては、暫らく人間を忘れて止まり木に成り切る他ないようです。

 水槽の 水飲むトンボ 何想う
Commented by hisako-baaba at 2012-09-17 23:33
止まり木役ですか、お優しいこと。
虫の居場所------笑えました😄
Commented by tabigarasu-iso at 2012-09-18 10:39
トンボですら、呑気な人とそうでない人と、見分ける眼力があるようです。
by tabigarasu-iso | 2012-09-17 12:25 | 小説 | Comments(2)