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白髪の旅ガラス

イチジクの花は何処に

 イチジクは、無花果の漢字が当てられる。花が咲かず、実ができるように見えることから当てられたようだが、辞書を調べてみれば、なるほどと頭を掻いてしまう。

 その実は、大きな葉の根本で小さな青い瘤が徐々に大きく育ち、秋になると手の平一杯の大きさまで育ち紫色に熟して行く。それを実と思うから、花の咲く間のない無花果と言うことになる。

 花は、割れた実の中で咲く。蜂に受粉させるものと、その必要のないものがある。小さな粒々は、花の成果の種であり、熟した実と思い食べる部分は、花の床にあたる部分とは知らなかった。

 西日の当る二階の部屋から見えるイチジクの大木には、花を中に包み込んだ青い瘤が一寸の大きさまで膨らんでいる。秋になり、それが紫色に熟したなら、手に取り割って中を確かめてみよう。

                  イチジクの 花は中だと ハチは知り
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by tabigarasu-iso | 2012-07-06 08:50 | 随筆 | Comments(0)