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白髪の旅ガラス

解放されて

 自分の農場で牛を飼い、自分の畑で野菜を作り、自分の山から丸太を運ぶ。そんな自由人は、都会に向かうサラリーマンが痴漢に間違われないように両手を挙げて、汗臭く酸欠の満員電車に耐える光景を何と思うことであろうか。

 あれでは、仕事を始める前に疲れてしまうではないか。それは、当事者の思いと同じであるから正解である。時差通勤すれば良いが、相手の都合により誰でも出来る訳でもない。いつの日か、空いた電車で仕事に出掛ける日を夢見る。

 新幹線で仕事に向かう人も、通勤地獄を知らない。自由席に立つのは希であり、指定席で新聞を広げて殿様の気分である。ただ、そうなるには通勤地獄に耐えて、出世して高給取りになってからでないと叶わない。

 在宅勤務と言うハイカラな勤務形態がある。会社からパソコンと通信手段を借り、自宅で済む仕事は自宅で行い、会社に出るのは必要な時だけで良い。これは、実に合理的な仕事の形態である。通勤地獄から解放され、ゆっくり朝のコーヒーを飲み、じっくり新聞に目を通し、好きな音楽も聴き放題であるから、理想と言えるだろう。

 ただ一つ、自宅でも仕事が出来ると言う、事情を知らない近所の目が気に掛かる。天気の良い日には、携帯電話をポケットに入れ、近所の人には会わないよう、そっと玄関から抜け出す工夫は欠かせない。

        アマリリス いつまで経っても 葉ばかりさ
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by tabigarasu-iso | 2012-05-26 09:00 | 随筆 | Comments(0)