人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ブログトップ

白髪の旅ガラス

気になる他人の目

 耳の上部に頭髪が被さり始めると見苦しい。思い切り短髪にしてみる。耳の周辺の風通しが良くなった。

「気が付かない」
「何を」
「頭さ」
「相変わらず白髪ね」
「そうじゃなくて」
「中味のことかしら」
「それは変わらないさ」
「そうよね」

 自分で気になることも、それほど他人は気にしないものである。それを承知ながら、鏡に映る己の姿を放って置けない。頭髪を短く刈り込んでから、数日も経てば今度はモミアゲが耳の下で跳ね上がり気になってくる。

 その昔、頭髪は伸びるに任せていた。髭も伸びるままである。今では、頭髪が耳に被されば散髪に行く。そう、かつては林業で山の天気を気にするだけであったが、今ではサービス業で人の目を気にするようになった。

 春一番 薩摩の国で 吹いたとな
気になる他人の目_d0052263_133211100.jpg

by tabigarasu-iso | 2012-03-18 13:32 | 随筆 | Comments(0)