2012年 01月 26日
花インゲン
混雑した電車を避けてグリーン車の乗るのは、乗車料金が倍になるものの座って行ける特典がある。また、喧騒の中で飲み食いするのに飽きて、静かに話しながら飲食を楽しむ贅沢に懐は痛むが、それに勝る価値もあるだろう。
「花インゲン、とても安く買えたの」
「・・・」
「信じて貰えないようね。それなら見て貰える」
現物を見てから、相手は済まなそうに言った。
「粒が小さい。それに、産地が中国とある」
「うそ、大丈夫かしら」
「何とも言えない」
収穫まで手間の掛かる国産の花インゲンは、粒の大きさに見合った値段と味がする。それに良く似た中国産のものは、粒は一回り小さいものの半値であるから、衝動買いしたようだ。果たして、その味が良ければ問題はないが、如何なものであろう。
氷上の 腰引く姿 街中に