2012年 01月 24日
砂漠に雪
当時24歳の青年は、東京砂漠を嫌って緑豊かな田舎に戻った。それから36年、経済のエンジンに変わりない東京に戻り、砂漠の中で根を張り奇麗な花を咲かせる人と何度も出会い、知らぬ間に還暦を迎える。
こんな東京砂漠にも、乾きを潤す今年二度目の雪が舞う。上空に居座る大寒波の所為で、山にも里にも雪が降る。
その雪で、乾いた人の心まで潤してくれるなら、雪よ降れ降れもっと降れと歓迎したい。灰色の空の下、味気ないビルディングの壁を睨みながら、ガラス窓を擦る降雪に望みを託した。
降り続く 雪の住処を 仰ぎ見る