2012年 01月 12日
もしもし
「・・・」
「もしもし、七時七分に着くからね」
「・・・」
「もしもし、七時七分に着くってばさぁ」
同じ事を何度も繰り返し、とうとう彼女は怒り始めました。
「お静かに!」
そう言われて振り返る彼女は、自分の立場が判ったようです。
「すいません」
漸く、車内に静寂が訪れました。
そこで、ふと気になったのは『もしもし』の由来である。調べてみれば、電話が珍しい時代には、『おいおい』と呼び掛け、『はい、ようござんす』と答えていたそうな。その間に電話交換手が入ってから、繋ぐ相手に失礼にならないよう『申し上げます』が使われ、『申し上げます。申し上げます』が『もしもし』に短縮されたようです。
これを、元の言葉に戻して使ってはどうでしょう。
「申し上げます。申し上げます。七時七分に着きますから」
「はい、ようござんす」
かように、優しい会話が生まれます。
言葉には 棘も平和も 含まれて