2012年 01月 10日
環境担当者の初仕事
そんな状況において、あなたが環境ISOの環境担当者に任命されたら、何から始めたら良いのでしょう。前の環境担当者に聞いてみたくても、分厚いファイルを渡されただけで詳しい説明も受けていない有様ですから。本屋に立ち寄り参考書を開いても、環境ISOの要求事項を解説するばかりで、具体的な作業は解りません。
それではと言うことで、環境担当者に向けて環境ISOの初仕事を簡単に紹介したいと思います。
1)環境ISO導入の狙いを管理責任者に確認
管理責任者が環境ISO導入の狙いを明確に答えられない場合は、経営者に直接確認しましょう。狙いには、取引上の条件、環境負荷の低減、環境リスクの予防、売上増、経費削減、利益増、社会的責任などがあり、導入の狙いが不明確な場合でも、何れかに入る筈です。
2)環境ISO導入の狙いと環境方針の比較
導入の狙いが環境方針に適切に反映されているか確認します。反映されていない場合、環境方針の改訂を管理責任者或いは経営者に提案しましょう。
3)環境方針と環境目的・目標の比較
経営者の決定した環境方針を実現するのが環境ISOの仕組みです。環境方針と全社の環境目的・目標及び部門の環境目的・目標の整合を確認しましょう。後者が整合していない場合は、改訂を管理責任者或いは部門責任者に提案します。
4)管理項目の確認
環境ISOで管理する項目は何か確認しましょう。絶対的に管理するのは、法規制ですから、どんな法規制が適用されているのか、規制の対象と要求事項を確認し、対応状況も確認します。次に相対的に管理するものとして、著しい環境側面と言うものがありますから、それが何だか理解しなければなりません。
5)著しい環境側面の理解
環境ISOで理解が難しいものは、環境側面と言う単語です。これは、活動をサイコロと看做した場合、利益と言う経済面、良い物を作ると言う品質面、怪我をしないように作ると言う安全面、環境負荷を低減すると言う環境面などが想定できますが、この中の環境面のことを環境側面と理解して置きましょう。
環境側面は、見えるものと見えないものがあります。見えるものは、電気の使用量、廃棄物の排出量、水の使用量など。見えないものは、環境配慮型製品の提案、歩留り向上の提案など。
ここまで理解が進めば、後は目標管理の仕組みと同じですから、決めた事柄を教育し、伝達し、決めた通りに活動し、活動結果を記録に残し、目標の進捗管理を行う。これが環境担当者の初仕事になりますが、お解り戴けましたか。
初仕事 初めての人 解るまい