2011年 09月 02日
蒸し風呂の通り
しばらく歩くと、全身から汗が滲み出る。むかしむかし、サウナ風呂に一度だけ入ったが、その時の息苦しさを想い出していた。
その時は、風邪を引き熱のある身体であったが、サウナに入れば治ると言われ、疑うことを知らない若者である。
だが、喉は乾き体温は上がるばかり、風邪が治る前に命の危うさを感じた。何とかアパートに戻り一命は取り留めたが、それからサウナに行ったことはない。
その当時と同じ状況が通りにはあった。ただ、開け放れたビルディングの出入り口から流れ出す冷気が、時折体温を下げてくれる。
お陰で、蒸し風呂の通りを歩き切り、冷房の良く効いた電車に乗ることが出来た。これも、大型台風が熱と湿度を持ち込んだ結果だから、誰の所為でもない。
蒸し風呂に 入るカラスも 悪くない